今回は中間流通業者を介したチャネル戦略を展開する全てのメーカーが取り組み可能な、ユニークな営業手法についてご紹介します。
特に少数精鋭、予算面で制約のある中小メーカーにとっては、既存のホームページにアクセス解析を組み込むだけの、効率的で明日からでも取組可能なものです。
こだわりの商品を製造する食品メーカーH社の成功事例
関西に本社をおき、独自性の高いこだわり商品を製造販売するH社は、これまでも高級食材を扱うスーパーやデパートから、年に数件の問い合わせを電話で受けては、社内唯一の営業マンである社長が、サンプル出しや見積り商談まで、一手に引き受けてやっていました。
しかし、本来の経営者としての仕事に加え、新商品開発までを担う社長にとって、月10時間の営業工数を捻出することもままならず、東京進出を掲げた経営計画は絵に描いた餅に終わっていることはもちろん、充分な対応が出来ずにせっかくの問い合わせにさえ失注している状況でした。
中間流通業者との営業タイアップの仕組み
H社の社長は、自社単独の新規顧客開拓から、中間流通業者とのタイアップによる営業に方針変更することにしました。
しかし、いくら商品に独自性があるとはいえ、H社も数百・数千社ある仕入先の中の1社です。社長から問屋の商品部へ市場開拓を重ねて要望した所で、H社のために特別に力を入れて取り組んでくれる事はないでしょう。
どうすれば、自社商品の拡販に問屋の営業が優先的に取り組んでくれるか?考え抜いた社長は、ニーズがあり受注確率の高い見込客をこちらで特定してあげれば、成果を求める営業マンなら喜んで取り組んでくれるのではないかとの結論に至ったのです。
従来のメーカーと商社との関係より、更に一歩踏み込んだ営業タイアップの手法です。