「Buzip(ビジップ)」というサイトをご存じでしょうか?
経営者なら「社長TV」という名で、一度は耳にしたことがあるかもしれません。
中小企業の経営者を取材し、その模様をインターネット上に動画でアップしています。
2015年2月13日をもって、「日本の社長.tv」から「Buzip(ビジップ)」に改名した同サービスは、全国で約5,700社(2015年2月15日現在)の企業、自治体、大学のトップを動画で掲載しています。
このサイトは、運営会社である株式会社ディーノシステムの独自性と、このサービスが実現したいビジョンに、そのおもしろさの秘密があります。
運営するのは高校中退の若手経営者
「Buzip」を運営するのは、株式会社ディーノシステム。
福岡県福岡市に本社を置く設立8年のベンチャー企業です。
指揮を執る中島一明社長(29)が同社を立ち上げたのは若干21歳。実は中島社長は、県内の高校を1年生の1学期に中退しています。
中退の理由は簡単。将来起業したいから。起業するなら人より先に社会に出て色んな経験をした方がいいだろうと思ったからです。
200のビジネスプランと世界一周
15歳で社会に出た中島社長は測量やテレアポのアルバイトなど、社会経験を積むため様々な仕事に取り組みました。
そして19歳の時、ソフトバンクの孫正義社長が200の特許アイデアを考えて独立したと語る講演DVDとの運命的な出会いが中島社長をある行動に突き動かします。
「日本を代表するような大社長がこんな努力をしているんだったら、自分はそれ以上努力しないとだめだ。」
孫社長を見習い200のビジネスプランを1日1つ考える。ただ考えるだけだと面白くないから、見聞を広める意味を込めて、世界一周旅行をしながらビジネスプランを考えることにしました。
何をやってもうまくいかない日々
約半年かけて世界を周った中島社長、帰国後に中学時代の友人と2人で、株式会社ディーノシステムを立ち上げました。
事業内容は、世界一周旅行中に考えたビジネスプランの中から選びました。 当然成功するだろうと思っていましたが、ビジネスの世界はそう甘いことはなく、何をやってもうまくいきませんでした。
「なぜうまくいかないんだろう。。。周りにはこんなにも多くの企業があるのに。。。」
どうしていいか分からなくなってしまった中島社長は、すがる思いで周りの社長にどうしたらうまく経営していけるのか、助言を求め始めました。
偶然の産物
「タダで成功者の話を聞くことができる。」
中島社長は思いました。こんなに素晴らしい話を自分だけが聞くのはもったいない。
誰でも社長の話を聞けるように、動画で撮影してインターネット上にアップすることにしたのです。
そして100社ほどの社長の話がアップされた頃から、徐々に反響が出始めました。
「この会社に入社したい!」「この社長の話も聞いてみたい!」
「これはビジネスになるのではないか?」
世の中には素晴らしい企業がたくさんあるというのに、誰もその存在を知らない。
企業のトップが堂々と動画でメッセージを発信することで、新たな出会いが創出されるのではないか、自分がその出会いの場となるプラットフォームを創ればと、考えたのです。
全く新しいビジネスプラットフォーム
偶然出来上がったビジネスモデルでしたが、このサービスを始めて約5年。掲載企業数は5,700社を超え、6,000社に迫る勢いです。
サービス名も「日本の社長.tv」から「Buzip」に変更、「Buzip」とは「Business Platform」の略です。
より中島社長の描くビジョンに近いサービスに変更し、これからも「企業と企業、企業と人の新たな出会い」を提供し続ける、そんな想いを描いています。