スーパーマーケットでも利益率が高く、差別化要素の強い総菜部門。その中でも、売上構成比の大きい米飯類の売上アップ事例をご紹介します。
ある地方スーパーS社では、自社製造の総菜部門の売上を伸ばすため、米飯強化の販促を企画し、実行することになりました。
その背景には近隣エリアにCVSが大量に出店したことで、米飯類や飲料の売上が大きく低下したことによる危機感がありました。
実施された販促企画は単純なもので、お弁当にシールを添付し、台紙に10個シールが集まれば、その台紙とお弁当一個と交換ができるという内容です。
もともと、惣菜部のバイヤーが「10回弁当を購入していただければ、我社でお弁当を購入することが習慣化し、馴染みになってもらえるだろう」と考えたことから生まれたアイデアでした。
台紙の有効期限は8週間を目途に設定しました。
実際に実施してみると、すぐに米飯部門の売上は前年比130%に伸長するという効果が表れました。このキャンペーンは現在、8回目を実施中とのことで、台紙の交換枚数も回を追うごとに伸びているそうです。
特に男性が多い職場では、早く台紙にシールが10個集まるようにと、部署単位で協力しあって集めている事例もあり、キャンペーンの認知促進や固定客化が自然と進んでいます。
自社製造で粗利益がとれるスーパーマーケットに限定される手法かもしれませんが、本部の統制がきつく、価格設定に自由度が低いコンビニエンスストア対策にはかなり有効な手法のようです。
また、主婦層が大半を占める食品スーパー業態に、男性客を呼び込む効果もあり、客数増加にも大きな成果が生まれている成功事例といえるかと思います。