人出不足で残業が減らせない場合の対処法

人が採れない、退職がとまらない。特に労働集約的な産業(小売・飲食・サービス・介護等)からの退職が止まらない。労働時間の割には賃金が低い業界からの労働力の流出だ。もう悲鳴にも似た声があがっている。

人が足らない → 既存従業員が長時間労働になる → 人がさらに辞める → さらに人が足らない → さらに長時間労働になる → ・・・

という悪循環を繰り返している。

社労士さんや役所からは36協定違反です、労働基準法違反です、とご説ごもっともなご指導を聞かされる。でも、現場で戦う会社としては、どうにもならない状況もある。中小企業の採用定着が「異常事態」なのだ。多くの経営者が「困惑」と「苦悩」の状態にある。経営者もやや疲れてこられたか。

 

では、どうするのか?

 

まずは辞めずに頑張っている既存従業員の労苦に報いるために、残業代はしっかり払ってほしい。又は、定額残業代の場合は超過分を払ってほしい。当然、残業代が払えるような付加価値の高い仕事をさせていることが前提である。それもできないのであれば、値決めを含め、営業構造そのものの問題。

 

そして、労働基準法等の趣旨は働く者の「健康」にある。したがって、やむを得ず長時間労働の現状があっても、健康に関連する法律はしっかりと遵守する。産業医の選任、医師の面談、安全衛生管理者の選任、安全衛生委員会の開催、健康診断とその事後措置、安全衛生教育等々、さまざまな法律がある。健康面の法律で貴社が遵守すべきものは顧問の弁護士さんや社労士さんに聞く。

 

特に2~6ヵ月間で残業80時間超、1ヶ月100時間超の残業は労災認定され、かつこれに起因する健康障害は会社の安全配慮義務違反で損害賠償責任を負う可能性が大きい。

 

いま、多くの会社で明日からやらなければならないことは、健康面の法律順守度と社員の顔色・表情をチェックすることである。

未曽有の人出不足、社長の健康管理も万全にしてなんとか乗り切っていきましょう。

 

私も難局を乗り切るために体を鍛えようと思っている今日この頃です。


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