今回は、トムラ・ジャパン株式会社(東京都大田区)が展開するスーパー店頭でのペットボトル回収システムを紹介します。トムラ・ジャパンは、スーパー店頭でペットボトルの自動回収機を設置して、ポイント連動型のサービスを展開しています。
トムラ・ジャパンが展開するスーパー向けリサイクルポイントシステムの特徴をまとめると次のようになります。
①ペットボトル回収を簡易化しコストを削減するシステム
②顧客のスーパー店頭でのペットボトル回収が店舗へのロイヤリティを向上
③店舗のポイントシステムとの連動で主婦層への訴求力を強化、顧客囲い込みによる売上UPを実現
ペットボトル回収システムの概要
トムラ・ジャパン株式会社が提案する総合型リサイクルシステムは、スーパー店頭にペットボトルの自動回収機を設置するというものです。顧客が個人で自由に利用できるという特性は、現代のペットボトルリサイクルにかかわる煩雑さを無くし、社会的コストを削減する意味でも非常に有用です。
一般的なペットボトル回収制度では家庭から出るペットボトルは指定された日時、場所でのみ回収され、一旦忘れるとペットボトルが溜まってしまい、場所を取るため困ることも多いと思われます。一方、本システムは設置されたリサイクルシステムに顧客が機械の稼働時間に自由に持ち込みが可能です。また回収時に自動的にペットボトルのみ選別回収、減容するので輸送・リサイクルのコストを削減することができます。操作は所定の投入口にペットボトルを入れるだけ。様々な年代の方も気軽に利用することができます。
ペットボトル回収システム導入がスーパーの顧客ロイヤリティ向上、売上UPにつながる理由
このペットボトル回収システムは、関東を中心に日本全国のスーパーに導入されてきています。先に紹介したように、本システムでは顧客が各々店頭でペットボトルを処理することが可能ですが、システム利用目的の顧客が店舗に足を運ぶことが期待できます。また、ペットボトル自動回収機の利用でスーパーを訪れた顧客のスーパーにおける商品の購入が期待できます。
システム導入を行ったあるスーパーを対象にしたトムラ・ジャパンの独自調査結果は以下のようになっています。
●導入後、リサイクルシステム利用を行うユーザーは店舗全体の顧客の約16%
●同じく、顧客の来客頻度が15%短縮
●同じく、売上高が19%増加
各家庭のペットボトル処理を容易にするシステムをスーパー店頭に設置することで、システム利用も含めた顧客ロイヤリティの向上につながり、利用者の来店間隔が短縮することで売上UPにつながっているということです。導入した店舗では、操作の簡単なシステムによるペットボトル回収が顧客の獲得、売上UPを促しています。
ポイントシステムの連携、導入で主婦層への訴求力を強化しリテンション施策につながる
このシステムは、ペットボトルの持ち込み時に機械的にポイントを付与し、そのポイントを顧客が店舗でも用いられるようにするものです。スーパー独自のポイントシステムと連動(要技術検証)や、新たにリサイクルポイントシステムを導入することが可能です。
ペットボトルの回収とポイント付与により、家庭のハウスキーピングを担い、かつスーパーのメインユーザーである主婦層を取り込むことができ、より確実な売上の増加を見込むことができるようになるのです。
おわりに
世界的な「エコ意識」の高まりは、日本でも広がってきています。特に、子育て世代の主婦層は子どもの未来を考えて、できる限りクリーンな環境を守るための活動に積極的です。さらに、スーパー店頭にペットボトル回収のシステムを設置することで、スーパー利用者として最もパイの大きい主婦層への訴求効果もあり店舗の利益につながります。