イオン「夜市」に続け!スーパーが会社帰りの買い物需要に照準

総合スーパーのイオンは、夜間の売上増を狙って「まいにち夜市」と銘打ち、唐揚げやおにぎり、カット野菜など、手間がかからない惣菜や生鮮食品で重点販売品目を数十~100品目程度選び、午後6時を目処に集中的に店頭に並べる施策をスタートしました。

コンビニ業界でも、今夏からセブン・イレブン・ジャパンは冷凍食品を刷新し、店内調理の仕組みを取り入れており(揚げ立て商品を充実)、テレビコマーシャルも放映しています。

専業主婦が減る中、スーパーマーケットは働く女性や単身者などの需要獲得に狙いを定め、今一度、「買い物客の声を聞く」方法を取り入れるべきではないでしょうか?

 

増え続ける会社帰りの買い物需要

この10年、日本の労働力人口は減少する中、増加しているのが働く女性の数です。
厚生労働省によると平成17年には2750万人であった働く女性の数が、10年後の平成26年には2824万人へ、74万人増えています。
また高齢者を含めた単身世帯の数も、同じく1158万世帯から1366万世帯へ、208万世帯増えています。

買い物をする時間帯買い物をする時間帯(人口比率)

働く女性や単身者が増えたことで、仕事帰りの午後6時以降に夕食の食材を購入する人が増えてきました。
総務省社会生活基本調査によれば、平成13年には全体の約15%が夜の17時から21時までの間に買い物をしていたのに対し、平成23年には28.8%と10年で約200%増です。

スーパーは本来、夕飯の食材を購入する主婦にターゲットをあわせて、夕方までに商品を売り切ることを目指してきました。
その結果、利便性の高い揚げたて商品や、食卓にそのまま出せる商品が少なく、「夜のスーパーは商品が少ない」イメージを植え付け、仕事帰りの層がコンビニエンスストアなどに顧客が流れる要因となっています。

会社帰りの夕食の需要に狙いを定めたスーパーマーケットの挑戦が始まっています。

 

イオンの6時に照準を当てた売場作り

日本経済新聞によりますと、イオンは商品の補充など売り場を整理する時間帯を従来の午後4時から同6時に2時間繰り下げ、夜間に売れやすい惣菜や生鮮食品を午後6時目処に集中的に店頭に並べる、夜間の販売強化の取り組みを始めました。

9~10月に数店で試験実施したところ、午後4~8時の売り上げで惣菜は2~3割、生鮮食品で1~4割増えました。この結果を受けて、これまで取りこぼしてきた需要があるとみて、約390店全店で展開することとなりました。

 

売場作りを遅くするリスク

しかしながら、閉店時間が迫ってからの商品供給拡大にはリスクがついて回ります。
1つは惣菜の加工担当者の勤務時間の問題です。
イオンが採用している勤務時間をそのままずらす方法で調整可能なら問題ありませんが、単純に残業時間が増えることとなったり、新たにパート社員を雇用したりすれば人件費に大きな影響を与えます。

また商品供給の拡大は売れ残りのリスク増大にもつながりかねません。

 

会社帰り需要に狙いを定めた「揚げたて注文方式」

株式会社ハルモニア(本社:福岡県久留米市)と、その販売代理店である株式会社トライネット(本社:名古屋市西区)は、同社の自動揚げリフター『グルメリフター』を使った「揚げたて注文方式」で会社帰りの買い物需要に応える提案を行っています。

注文を受けてからコロッケや唐揚げをフライヤーに投入、受注生産のために売れ残りや値下げリスクが限りなくゼロになるだけでなく、揚げたての美味しさを提供します。
ただし、全てのアイテムに揚げたてを導入するのでなく、数種類の定番商品と週替わりの商品とのミックスで取り入れ、人的負担が過大とならないようコントロールします。

この揚げたて注文方式を実現するグルメリフター、今あるフライヤーに後付できる揚げリフターです。

グルメリフター

揚げ物にあわせて揚げ時間や予熱時間を自動制御、余分な油を含まずカラッとジューシーな揚げ物に仕上がるだけでなく、操作は食材をセットしてボタンを押すだけ。
専従でないパートさんでも1人で複数台を同時に使いこなせ、人件費が膨らむこともありません。

「グルメリフターを使えば、誰でもプロ並みのテクニックで、均一の商品が提供できます。他店にないサービスコーナーで「お客様の声」を積極的に取り入れ、5時から7時の来店客数をアップさせてみてはいかがでしょう」と株式会社トライネットの水口社長。

 

 

関連記事一覧