住居系などの高額商材や生活スタイルが大きくかわる商材は一般的には、お客様の検討期間は長くなるのが一般的です。
そのため、契約に至るまでの営業プロセスを可視化し、マイルストーンごとに目標値を設定の上、実績を管理することが有効です。
高齢者住宅の場合は毎月の問合せ数、見学率、入居率を分析することが代表的な指標となります。
問合せ数には、ホームページなどからの資料請求の件数を含める場合もあります。
この指標のそれぞれの過程で実施すべき改善策は異なります。
例えば、毎月の問合せ数の絶対数が足りないのであれば、ケアマネージャーへの営業活動の強化や内覧会の実施、折込チラシ・ポータルサイトへの露出・自社ホームページの対策を検討することが必要です。問い合わせ数の確保のために、その前段階として、紹介実績のある居宅介護支援事業所や地域包括の件数の目標設定をすることも有効です。
また、次に問合せから見学への数についてですが、この指標を改善するためには、電話問い合わせの対応の改善や施設案内パンフレットの改善が必要です。この際に案外大事なことですが、見学日や時間帯を明記することが重要です。“いつでも見学OK”、“随時見学OK”という表現は実は、入居希望者やご家族に「いつ見学に行こうか」と考えさせるという負担を与えてしまうため、日時や時刻は明記することで、「都合がつくか、つかないか」という“選択型”にすることが見学率の改善につながります。
続いて見学から契約への入居率の改善ですが、見学時への案内方法の見直しが主テーマとなります。
まず、見学から契約に結び付かない施設によくある問題点をご紹介します。
案外多いのが、
1.施設の訴求ポイントや概要などの教育できておらず、自施設を十分に説明できない
2.同価格帯の他施設との差別化ができていない
3.担当者任せで見学のルートが定まっていない
4.一方的コミュニケーションで、入居者の本当の不安にたどりついていない
5.担当自身が施設・住宅を本当に良い施設と思えていないため、推せない
おおよそ上記の5パターンに分類されます。
これらについては、自施設でスタッフと、とことん優れている点や目指している方向性を確認する議論をすることが最良の方法と思います。これらの議論を重ねることで、見学ルートや差別化のポイントは自ずから明確化されていきます。差別化のポイントについては、可能な限り数値化と細分化を意識し、営業ツールに反映させることが望ましいです。
最後に契約に至るまでの指標を管理する場合ですが、どの指標もいまいちの場合は最終の契約に近い指標から改善することが費用対効果を高めます。大半のケースでは問い合わせ数を増やすための対策はコストが嵩むものが多くなります。見学⇒入居率の対策が十分でない場合、多額のコストを問い合わせ数の増加に費やしても、非効率となってしまいます。
まずは売上に近い指標から改善に力を入れてみてください。