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あなたの会社のゴミ・廃棄物処分費用を削減し“宝の山”に変える方法

関西のある食品スーパーマーケットでは、年間約3000万円の廃棄物処理コストを負担していました。
半径60キロ程度のエリアに30店舗を構える同社は、エリア別に3社の廃棄物処理業者に処分を依頼していました。
削減前の同社では、生ごみなどの一般廃棄物と産業廃棄物の区別はしていたものの、処理業者との間ではゴミ処分に対して月に100万円支払うというような大雑把な契約をしており、割高ではないかという社内の意見もあったものの、選択肢となる処分業者がエリア内にわずかしか存在しない実態もあり、放置されているコストとなっていました。

 

廃棄物処理コストは半減できる

これといった削減のための道筋がない中、別の経費削減の目的で顧問契約を結んだコスト削減の専門家に同社社長は「廃棄物の処分コストについては削減ができないだろうか?」と持ちかけたところ、「現状の契約内容はどうなっていますか?廃棄するゴミの種類や量目は把握されていますか?」と逆質問を受けました。
「年間で何トン、廃棄物を出しているという資料はあるが、種類別に把握しようとしたことはない」と素直に答えたところ、「ゴミは分類して量目を把握すると、色々と方向性が見えてくるので、3か月間、商品センター、各店舗に分類と計測を依頼していただけませんか?場合によっては現在のコスト負担は半減できる可能性があります。」とアドバイスを受けました。

同社社長は「ゴミを分別して、毎日計量してもらうには相当、現場にも負担がかかるのではないか?」と内心、心配もしましたが、3か月間限定で取り組み大きくコストが下がるならば、それは会社のためではないかと覚悟を決め、商品センターを含む全店舗に毎日のゴミの分別と軽量を指示しました。

 

廃棄物の分別と計量から見えたこと

アドバイスもあり廃棄物の分別については13種類に分別をして進めていくことになりました。
廃棄物の分別と計量を進めていく過程で、まず大きな成果として従来は引き取り料を支払っていたダンボールが売却可能でお金になるということが判明しました。
古紙の再生業者と商談を行い、㎏当たり6円(※古紙相場により変動)での買い取りが可能だということが分かりました。
ただ、古紙の再生業者からは「ある程度の量があれば引き取りのための運搬コストを負担することができるが、廃棄の量が分からないと何とも言えない。少なければ持ち込みしていただかないと対応できない」との回答を受けました。

結論的には3か月の廃棄物の量目を計測した結果、古紙の再生業者からは「引き取りのための運搬コスト全額を負担するのは厳しい」という回答でしたが、同社の全店舗の駐車場に紙ゴミを捨てられる大型の回収BOXを置き、その引き取りをお願いすることで回収可能な紙ゴミの量を増やすことで、古紙再生業者に運賃を負担してもらうことを了承してもらうことができました。

ちなみに同社のダンボール、紙ゴミを古紙再生業者に販売している金額は多い月で100万円弱、通常月で60万円~70万円で推移しています。
処分にお金を負担していたものが、収入に化けたわけですからかなりの改善です。

 

他のゴミはどうなった

青果の生ごみについてはその大半が商品センターから排出されることもあり、補助金を活用して生ごみを肥料にする設備を導入し、出来上がった肥料を農科に廉価で販売するのが一番の削減策になるという結論でその方策を進めました。

また鮮魚の生ごみについては塩分を含むものが多く、肥料化することは難しいので、養豚経営など畜産家へ販売する方法を検討しました。
運よく同様のことを検討している肥育業者があったため商談を進めたところ、「毎日生ごみを回収するとコストが合わないので、当社の負担で冷凍設備を投資しますので、そこに鮮魚部門の廃棄物をおいていただけないでしょうか?電気代も当社で負担します。」との提案をもらい、その案を活用することにしました。

他にも空き缶については、自動販売機のベンダーが無料で引き取ってくれることになり、天ぷら油はバイオディーゼル化する小型の設備投資を行うとともに、それでも余剰がでる分については、有償で造船会社やバイオディーゼルを精製してビジネスを行っている会社に売却する案で進めることになりました。

またどうしてもコストを負担して処分をしなければならない産業廃棄物についても、13分類することで正確な処分量を把握することができたため、廃棄物処理業者とキロ当たりの処分費に焦点を絞って交渉が進められたため大幅なコストダウンを実現することができました。

結果、同社の廃棄物処分コストは年間3000万円から年間1000万円と大幅にコストダウンが実現しています。