BtoB企業にとってコンテンツマーケティングとは何か?

一般的にBtoB企業のWEBサイトについては、「とりあえずうちもホームページは作っておかないと」という考え方を起点に作成された“会社紹介サイト”的な位置付けのものが多く、営業の“引き合い”を獲得するために作られる“営業支援系サイト”は少ないようです。

このような話をすると、「うちは商品や製品の案内ページもあるし、問い合わせのためのページもあるから大丈夫」という反論が聞こえてきそうですが、現実的には大半のBtoBサイトより製品の機能や特長、価格や営業マンのフォロー体制や提案能力、成功事例やなどホームページから測り知ることは難しいでしょう。

 

“問い合わせ”を獲得するには商品内容や取引条件を詳しく書く

ある百貨店のバイヤーが北海道物産展の企画を成功させるために北海道産の美味しいスイーツを探しています。彼はA製菓とB製菓をたまたまWEBサイトで発見しました。

A製菓

「北海道の新鮮な牛乳を使った美味しいミルクキャラメルです(詳細はお問合せ下さい)」

B製菓

「純度100%!北海道生まれのジャージー牛の生乳を搾乳、当日に加工した新鮮ミルクキャラメルを、安心の配送体制で翌日にはお届けします(値ごろ感のある価格表示も)」

みなさんが百貨店バイヤーなら、どちらの企業に問い合わせるでしょう?
恐らくB製菓ではないでしょうか?

少なくとも問い合わせの順番はB社が先になり、そこで商談がまとまればA社にとっては機会損失ということになります。

BtoB企業の“少しでも良い条件で取引をしたい”、“イレギュラーな問い合わせがあるかもしれないので価格表示はやめておこう”という曖昧な売り手都合のスタンスはサイトを訪問する企業のキーマンにも伝わり、実は非常に不親切な対応になっているケースが多く存在します。

 

介護の営業代行会社をWEBサイトで探したケース

当社のグループ会社は関西地区で介護施設を20拠点ほど運営しています。
昨年も大阪府にサ高住はじめ介護施設を複数オープンしました。

その時に人材採用が計画的に進まなかったこともあり、施設の利用者確保のために営業人材を外部で賄うことになりました。
そこでWEBサイトで介護代行会社を探すことにしましたが、その際もWEBサイトでは可能な限りサービス内容や取引条件を明確にしておくことが大切だと、発注者側の経験からも痛感しました。

結果的にWEBサイトで候補企業を5社選択し、その内の2社と商談をし、1社と現在も取引をしています。
2社選択したのは、5社のうち3社は価格に関する表記がサイト上になかったので、“3社についてはいくらの投資が必要か分からないし、スポット取引で急いでいるから2社にとりあえず話をしよう”という進め方をしました。

残りの2社との商談では、より介護事業に相性がよい会社を選ぶという点で1社を選択しましたが、商談の順番についても“介護業界の営業代行を得意にしている”という表現をはっきりとしている現取引先の1社を先に優先しています。

 

“コンテンツマーケティング”はBtoB企業こそ重要なテーマ

コンテンツマーケティングがWEBマーケティングの業界で話題になっていますが、BtoB企業にとってのコンテンツマーケティングは、WEB集客を成功させる上でとても重要なテーマといえます。

WEB上でもライバルとの競争は当然あるわけで、見込み客に比較選択されるであろうライバル会社が“商品・サービスの導入事例”や“お客様の声”などを掲載し、自社より充実したWEBサイトを運営していれば、検討の土俵に上がることすらできず機会損失が発生していると予想されます。

この状況を挽回する方策がコンテンツマーケティングではないかと考えています。
あるWEBマーケティングの書籍の言葉を借りれば、“コンテンツマーケティングとは、ターゲットが探し求めている魅力的なコンテンツを各チャネルに最適化した方法で提供する事で、ターゲットを多く惹きつけるマーケティング手法”と表現されていました。

まさに自社の商品やサービスを必要としている見込み客に“正しい商品の選択基準”や“賢いサービスの選び方”を分かりやすく伝えることを指しており、この考え方をWEBサイト上で表現することが挽回の一手ではないかと考えています。

 

コンテンツマーケティングで見込客になる前段階の“そのうち客”を囲いこむ仕組みを作る

コンテンツマーケティングの実務では、見込み客をはじめとするターゲット企業がその悩みを解決する際に検索しうるキーワードを洗い出し、そのキーワードに基づいてコンテンツ化していきます。また、そのコンテンツをソーシャルメディアでも発信し続けます。

良質なコンテンツを無料で配信し続けることは将来の顧客企業になりうるサイト訪問者から感謝されることにつながります。そのサイトを運営しているBtoB企業のことが気になり、次第にファンになるでしょう。コンテンツマーケティングは企業のブランディングにも貢献し、将来の見込み客を囲い込む力を発揮することになるでしょう。

また、コンテンツマーケティングはその企業の技術やノウハウを”見える化”したものです。
つまりコンテンツマーケティングに取り組んだBtoB企業の信頼感形成に絶大な効果があり、これからの注目のマーケティング策といえるのではないでしょうか。

 

 

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