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日本一分かりやすい企業向け電気料金の計算方法

電気代高騰の会社経営に与えるインパクトが、「シャレにならないレベル」となってきました。
当記事は、電気代の削減など「具体的に考えたことがない」という中小企業の経営者や経営幹部、後継経営者に理解していただく事を主旨として、出来る限り簡略化して分かりやすく書きました。
情報不充分な所もあることを承知の上、まずはザクッとご理解いただき、自社の電気料金の削減のヒントになれば幸いです。

今回は読み物というより簡易なマニュアル風に書いていますので、ブックマーク(保存)いただいて必要な時にご利用ください。

 

Q1)電気料金はどうやって計算するのか?

電気料金=基本料金+電力量料金

基本料金 基本料金単価×契約電力×(185-力率)/100
電力量料金 電力量料金単価×使用電力量±燃料費調整額

*他に再生可能エネルギー発電促進賦課金があるが簡略化のため省略

 

Q2)基本料金単価は幾らか?

簡略化のため「関東のそれなりの規模の工場やオフィスビル」に仮定

◆高圧契約の基本料金単価(東京電力、2015年6月1日時点)

ビルやスーパー、商店など 工  場
契約電力500kw以上 契約電力500kw未満
基本料金単価 1,684.8円/kWh 1782.0円/kWh 1269.0円//kWh

 

[用語解説]

*高圧契約とは
通常、企業向けと呼ばれる。大型ビルやスーパーマーケット、タワーマンションなど、大容量の電気を必要とする建物に供給される電気の契約

*低圧契約とは
通常、家庭向けと呼ばれる。小規模工場、店舗、マンション、戸建住宅などに供給されている電気の契約

 

Q3)契約電力とはなにか?

契約電力とは、各月の「一度に使う電気の量」のうち、過去12ヶ月で最も大きい値。
「我が社は最大でこれだけの電気を使います」と、電気の使用量を予め電力会社との間に定めたもの。

少し横道に逸れますが、省エネを頑張ってトータルで節電しても、一度に使う電気の量が変わらなければ契約電力はそのまま、電気代の削減効果は限定的です。

 

(東京電力HPより)

「正月に孫が遊びに来るでしょう?(夫婦二人だけど)8人乗りの車を買っておきましょうよ」とディーラーのセールスマンから薦められるようなもの。ディーラーと違う点は、それが半ば「有無をいわさず」なところがあることです。

 

Q4)力率とはなにか?

力率とは、供給された電力のうち有効に使った電力の割合。
まり「電気を無駄なく使えているか」の指標。

基本料金=基本料金単価×契約電力×(185-力率)/100

基本料金の計算式をよく見れば、力率85%以上は割引対象になります。
力率85%以上のとき、無駄のない使い方に電力会社がご褒美をくれるのです。ありがたいですね。

でも、一般的な工場の力率は70%と言われているので、電力会社はもう少し優しく見守って欲しいものです。

 

Q5)基本料金の計算

*契約電力100kW、力率80%のスーパーの場合

基本料金=基本料金単価1684.8円?契約電力100kW?(185-80)/100=176,904円

 

Q6)電力量料金単価

簡略化のため「関東のそれなりの規模の工場やオフィスビル」に再び、登場いただきましょう。

◆高圧契約の場合(東京電力)

ビルやスーパー、商店など

(業務用電力)

工  場
契約電力500kw以上 契約電力500kw未満
夏季 17.13円/kWh 15.78円/kWh 16.96円/kWh
その他 15.99円/kWh 14.78円/kWh 15.85円/kWh

*契約メニューにより単価は変わります。ここまで読んで概要を理解された方は、各電力会社のホームページで確認下さい

 

Q8)燃料費調整額とはなにか?

火力燃料(原油・LNG・石炭)の毎月の価格変動を電気料金に反映させたもの。
要は「原油が値上がりしてきたので、価格に上乗せします」という、随分と身勝手(?)なルール。

燃料費調整額=燃料費調整単価?使用電力量

東京電力、高圧契約(それなりの工場やオフィス)の燃料費調整単価

4月 5月 6月 7月
2015年 2.53円/kWh 1.78円/kWh 0.86円/kWh -0.15円/kWh

ちなみに過去2年間でみても、調整単価がマイナス(値引き)となったのは、この7月が初めてです。

 

Q9)結論として電気代削減のポイント(概要)

① 契約電力を下げる
② 力率を改善する
③ 料金単価を下げる
④ 使用電力量を下げる(省エネする)
⑤ 電力会社を乗り換える

各ポイントの具体的な事例については、当サイトの中で、多数紹介しています。コスト0のものから、投資が必要なものまで。取り組みやすい内容もありますので、値上げを諦めず、どんどんチャレンジしてみて下さい。