インバウンドマーケティングが注目されてきた背景
WEB集客施策の効果に課題や問題があるという回答した企業の割合は、ある調査結果によれば約7割にものぼるようです。
その原因は分かりませんが、インターネットの普及により、広告以外の情報収集経路が格段に増えたため、広告効果が低下したことにあるのではないでしょうか。
そんな中で、やみくもに広告を展開するのではなく、ターゲット自らに問い合わせをしてもらうことを目的としたインバウンドマーケティングが注目されています。
インバウンドマーケティングとは何なのか。その特徴や活用方法についてご紹介します。
低迷するアウトバウンドの代替策としてインバウンドの考え方が主流に
インバウンドマーケティングでは商品やサービスの顧客となり得るターゲットが、自社の課題や問題を解決しようとインターネット上で、検索エンジンやソーシャルメディアを用いて情報を取得する行動に焦点を当てています。
言い換えれば、ターゲットに見つけてもらうことを前提にしたマーケティング手法ということになります。
対して、アウトバウンドマーケティングやアウトバウンド営業はテレビコマーシャル、FAXDM、郵送DM、営業マンの電話コール、飛び込み訪問などの従来手法を使った”顧客に強引に見つけさせる”活動を指します。
近年は先述のように商品やサービスに関する情報をいつでも、誰でも入手しやすい環境となったため、広告に対する企業の広告に対するリテラシーが向上し、アウトバウンド型のマーケティングや営業は苦戦する傾向が強いようです。
実際、10年以上前に花形手法であったFAXDM・郵送DMの反応率は、格段に下落しています。
インバウンドは継続性がポイント
顧客となるターゲット企業がBtoB企業の配信したコンテンツに興味・関心を持つことで、コンテンツに価値を感じた上で「参考になる情報が多いからまたこのサイトを訪問しよう」と思いRSS購読やFacebookページやtwitterアカウントのフォローを行うことで、インバウンドマーケティングはスタートします。
端的に言えば、定期的にサイトに訪れてもらえる状況が作れたということになります。(BtoB企業の場合はターゲット企業がソーシャルメディアを活用していないケースも多く、そのような場合はメールマガジンが代替の手法となることが多いです。)
何度かターゲット企業がサイトを訪れていくうちに実際にBtoB企業の商品・サービスが本当に必要なタイミングとなり、顧客となっていきます。
これらの一連の流れを意図的に発生させるマーケティング活動をインバウンドマーケティングと呼びます。
いつ顧客になるか分からない見込み客企業に対して粘り強くフォローをかけることは途方もない話のようにも聞こえますが、見込客のランク別管理を基にして、見込み客発生からクロージングまでのフォローのステップをWEB上で展開する仕組みを設計してしまえば、案外ローコストで効率的に実践が可能です。
とはいえ軌道に乗せるまでは、“絶対、瓦解させない”という経営者やマーケティング責任者の強い意志と相応の時間と工夫・改善が必要になります
BtoB企業のインバウンドマーケティングの顧客化フェーズにおける注意点
見込み客にとって有益な質の良いコンテンツは次第に検索エンジンにおいても上位表示され始め、ソーシャルメディア等を経由して大きく拡散していきます。
この状況が継続すると顧客となるターゲットに広く露出され徐々に定期訪問者も増えていくことでしょう。
サイトに多くのアクセスが集まり、少しずつ問い合わせも増加してくる段階になれば無料セミナー、無料相談会、ホワイトペーパーや成功事例集のダウンロードリンクを設置してメールアドレスを獲得しましょう。コンテンツの質がよく有益な情報提供ができていれば無料セミナーや無料相談会の参加者も一定数確保できるでしょうし、メルマガ登録の確率も高まるでしょう。
メールアドレスも取得でき、リード化して購入の前段階まで関係性を高められたところで、顧客化のためのアクションに移ります。BtoB企業であれば無料診断レポート、初回無料相談の募集、無料モニターの募集、会員ビジネスであれば初月無料での登録案内などが該当します。
自社のノウハウやスキルを見える化し、情報提供を続けて築いた関係性があるわけですから、広告などのアウトバウンドで獲得した見込み客リストと比較しても高確率で成約するはずです。
非常に手間暇かかる手法のようですが、アウトバウンド型の広告や営業スタイルで、反応率の低下を問題視されている場合は、今後もその状況が好転することは考えにくいでしょうから、心機一転、インバウンド型マーケティングに取り組まれることをお奨めしたいと思います。