高齢者施設向け食材供給サービス「特助くん」導入効果

介護施設で人員不足が、なお一層深刻化しています。
人員不足の問題は介護スタッフに限らず、調理員も同様のようです。
せっかく地域の競合施設との差別化に手作りを打ち出し、豪華な厨房設備を整えたにもかかわらず、調理スタッフが採用できずに泣く泣く手作りを諦めたとの話も伺います。
「そういう施設こそ加工品を使って欲しい」と言う、高齢者施設向け食材供給サービス「特助くん」を運営する、株式会社シニアライフクリエイトの稲田智様にお話しを伺いました。

 

特助くん

-シニアライフクリエイトの高齢者施設向け食材提供サービス「特助くん」。現在、毎月900を超える施設との取引があると伺っています。900もの高齢者施設があれば、そのニーズも様々でないでしょうか?

 

稲田様
特助くんは専用サイトからのご注文です。注文に必要なお客様専用のIDの登録料、更新料は全て無料です。
現在、平均すると毎月970施設様からご注文を頂いていますが、これだけお客様がいれば、ご利用の内容も様々で、お取引の金額が月1万円のお客様もいれば、200万円のお客様もいらっしゃいます。

 

-同じ施設でも変動するとか?

稲田様
毎月、平均的なご利用額が6万円の有料老人ホーム様が、瞬間的に月200万円ご利用いただいたりします。

 

-どうしてそんな事が起こるのですか?

稲田様
「調理の方がお辞めになられた」からです。
80床の有料老人ホーム様ですが、通常の月は単品を2品程度ご注文頂いています。
ところがある月、200万円まで急激に跳ね上がった。聞くと新しく入った新人さんのトレーニング期間に、当社の加工品をご利用頂いたという事でした。次の月には半分ぐらいになって、また半分ぐらいになって、今は新人さんも独り立ちされたのでしょうか、以前と同じように6万円のご注文に戻っています。

 

-介護施設からすれば使い勝手がよいですね

稲田様
そうですね。
ある程度、ベースを全てお任せいただいている高齢者施設様もありますし、そうじゃなくて、
朝食だけとか、平日の昼は調理師さんが作るので土日の昼だけとか、使われ方は本当に様々です。
三交代勤務で調理師さんを3人も雇用したらコスト合わないし、また最近は採用環境も非常に厳しくなっている。したがって平日の昼夕食は調理師さんが作って、朝と土日の対応は当社の加工食で回すというケースも最近は増えて来ました。

 

-介護施設からすればありがたい話ですが、御社のような供給側から見ると、6万から200万円まで利用額が変動するのは大変なような気がします。そもそも、そのようなニーズに対応できるものなのでしょうか?

稲田様
多様なニーズへの対応力ということで言えば、どこまで商品在庫を持っていられるかっていう所になってくるのではないでしょうか。
これは資金力であったり、毎月ご利用頂いている全体のボリュームであったりというところかと思います。

そういう事で言えば、当社の特徴が強みとなって、他社が真似できないサービスを提供できています。

 

-それはどういう所でしょう?

稲田様
高齢者専門宅配弁当事業「宅配Cook123」を創業以来15年超、毎月180万食のお弁当を当社は提供しています。
つまり、商品在庫は高齢者施設様への販売のためだけに持っているのでなく、毎日の宅配弁当の献立組みをするために、いや応なく揃えざるを得ない状況にもあるのです。
宅配事業で、配達しているお客様の声を直接聞けば、やっぱり楽しみにされている。
「できるだけ同じ物は出したくないよね」と、お浸しのような副菜でも、バリエーションがどんどん増えていきます。

この弁当宅配サービスと食材供給サービスをやっている事による、商品在庫の種類と量が当社の強みであり、他社の真似できない、高齢者施設のあらゆるニーズに対応できる理由です。

 

 

-ご利用が一定で無くても構わないとは便利ですね。施設さんはそんな利用方法をイメージされているのですか?

稲田様
お話しをしないとご理解いただけない場合がほとんどですね。
パーツ利用できるイメージを、介護事業者様はなかなか持っていらっしゃらないです。
チルドと冷凍の違いをご存じない方もいらっしゃるし、全部注文しなきゃいけないっていう認識の方がほとんどです。

 

-そうですか・・・

稲田様
「こういうこと出来ますよ、ああいうことも出来ますよ」と、お伝えしていく中で、前のケースのような解決策が見えてきます。

実はお問い合わせいただくお客様の話をじっくり聞いてみると、皆さん手作りを継続したいケースが多いのです。
人の問題もあり手作りを断念すべきか、やはり頑張って継続すべきか、そんな時にご相談いただきます。
人員が足りない中、手作りを維持するにはどうすればいいんだろう?と。
つまり手作りを継続するために、加工品を使う発想を持ってもらうという事です。
お客様が何をしたいのかお聞きした上で、「こういう風にすれば大丈夫です」っていうご提案をしています。

 

-こういう風にすれば人の問題が解決しますよ!という提案ですね。
他にどんな事例をお持ちですか?

稲田様
グループホーム様では、魚だけ注文いただくのが結構あるのですよ。
骨抜きの処理が大変だし、家庭用キッチンしかなかったりすると、魚10人分とか一度に焼けないですものね。
あと、やわから食だけというケースも。

登録だけいただいて、最初の3ヶ月くらい、まったく注文がなくて、「お客様、離れちゃったかな?」と思っていたら、ある日突然にポーンってご注文いただいたりします。
お盆や年末年始の繁忙期対策インフルエンザやノロウィルス等の流行時対策にも役立っている様です。

介護施設の現場では、それは毎日いろんな事が起こっていて、現場で働く管理者の方にも予測不可能な事であったりする訳ですが、そんな突発的な事にも対応できるのが、我々の強みです。

よく「もしもの時のために保険をかけておいて下さい」と話をします。
ご利用者やご入居者の方に、手作りで美味しい食事を提供し続けるために、もしもの時に役立つ「特助くん」をご利用ください。

 

インタビュー後記

稲田様のお話しを伺っているとネット通販amazonのロングテール戦略を思い出しました。
従来の本屋さんでは店の広さが制約となり、売れ筋以外の本は店頭に並べられなかったが、アマゾンなど無店舗販売なら、普通に考えれば年に1冊くらいしか売れない本まで提供でき、これまで実現不可能だった販売機会の取り込みを可能にしたというものです。
従来の施設向け食事提供サービスが狙うターゲットとは明らかに違う、施設の手作りをサポートするサービスには、ビジネスチャンスがあるように感じました。
それを可能とするのも、弁当宅配事業とのシナジーが生み出す同社の強みでしょう。

 

食事の見直しを検討されている介護事業所には、「特助くん」の無料食材サンプルを提供しています。
こちらからお気軽に申し込んでみて下さい。(介護事業所様からの申込みに限ります)

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