障害児通所給付費と通所受給者証

日本の障害者福祉は、「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者手帳」など、各障害に応じた「手帳」を取得することで、障害者として認定され、様々な福祉サービスを受けられるようになっています。しかし、軽度な障害や、障害と決定するには微妙な子供たちでも、国や自治体から、経済的な補助を受けられる「障害児通所給付費」という制度があります。障害児通所給付費と、その適応に必要な通所受給者証について説明いたします。

 

通所受給者証とは

児童福祉法による障害児を対象としたサービスを利用するための証書です。厚生労働省の説明には、以下のように書かれています。

 

通所給付決定を行うに際し、医学的診断名又は障害者手帳を有することは必須要件ではなく、療育を受けなければ福祉を損なうおそれのある児童を含むものとする。

出典:障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について

 

ここで着目したいのが、「医学的診断名又は障害者手帳を有することは必須要件ではない」という点です。つまり医療機関を受診して「何らかの障害がある」と診断されたり、各種障害手帳の申請の必要がなく、受給できるのです。

障害者として認定されれば専門のサービスを受けることができますが、軽度なために該当しなかったり、「障害者」として認定されることに、まだ抵抗があるといった方でも利用できるのがポイントです。

 

通所受給者証のメリット

通所受給者証を取得することにより、児童発達支援や放課後等デイサービス等を利用する際に、利用世帯の市町村民税の所得割額に応じて、利用額の上限が定められます。これにより、利用者負担が抑えられます。

≪月額負担上限額≫

生活保護受給世帯 0円
市民税非課税世帯 0円
市町村民税所得割額が28万円未満の世帯 4,600円
上記以外 37,200円

通所受給者証の取得方法

厚生労働省は、次のように説明しています。

 

手帳を有しない又は手当等を受給していない場合、市町村は、当該児童が療育・訓練を必要とするか否かについて、市町村保健センター、児童相談所、保健所等に意見を求めることが望ましいものとする。その際の障害の有無の確認にあたっては、年齢等を考慮して、必ずしも診断名を有しなくても、障害が想定され支援の必要性が認められればよいものとする。

出典:障害児通所給付費に係る通所給付決定事務等について

 

簡単に説明すると、窓口は市町村になり、申請には市町村保健センター、児童相談所、保健所等に意見を求めることが望ましく、必ずしも診断名は必要ではなく、障害が想定され支援の必要性が認められればよいと書かれています。

 

≪申請までの流れ≫

出典:横須賀市公式ホームページを参考に作図

 

①相談(市町村に申し込み)

お住いの市町村役所などに出向き、担当窓口で申請手続きを行います。まだご希望のサービス事業者が決まっていない場合は、相談支援事業所一覧をもらい紹介を受けます。また、窓口ではお子様の発達状況などについて質問されることがあるため、母子手帳や診断結果などを持参するとよいでしょう。

 

②調査(自宅等の訪問)

調査員が家庭などに訪問し、障害支援区分等の調査を実施します。サービス利用意向の聴取も行われます。そこでは育児を行う上で何が困難か、どう対応すべきかなど相談しながら、どのサービスが適切かを確認します。

 

③障害支援区分の認定

障害支援区分の認定結果の通知が届いた旨を相談支援事業所に連絡し、利用契約を締結します。

 

④サービス等利用計画(案)の作成と提出

相談支援事業所は、どのような支援を行うかを記載した「計画(案)」を作成。市町村に提出(代行可)します。

 

⑤支給決定

市町村が、区分や計画(案)等を参考に支援決定すると、障害福祉サービス受給者証の発行が行われます。

 

⑥サービス担当者会議

当事者及び福祉関係者が集まり、個々の状況に即した具体的な支援計画が立てられます。

 

⑦契約

計画に基づきサービス事業者と契約します。

 

⑧サービス利用

サービスの利用を開始します。前述したとおり、利用料は利用世帯の市町村民税の所得割額に応じて、利用額の上限が定められます。

 

⑨モニタリング

サービス事業者は計画に基づき適切にサービス提供が行われているか、また計画内容に不都合は生じていないかなどを、定期的に見直します。その期間は市町村によって定められます。

 

昨今では、早期療育が障害児支援の主流になっています。手続きは難しいものではありませんので、そのメリットを存分に生かして育成にあたってください。

 

 

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