介護施設と地方農家が利用者のQOL維持向上にタッグ

ある日のコンビニエンスストアで、メディアネット女子10人会の佐藤善彦氏は、年配の女性が一生懸命に、施設がレクで使うぬり絵をコピーしているのを見ていました。

「まるで幼稚園のようでした。でも、それだけ困っている施設が多いのでしょう。レクは介護報酬に加算される訳ではないですが、何かをやらなければならない。安価で出来る物は限られ、その1つが私が見たぬり絵なのだと思います。」

そんな体験から、やらされるレクでなく、自ら「参加したい」「やってみたい」気持ちになるものがないかと考えたのが「おばあちゃんちのお店」です。

高齢者介護施設の利用者に、お店を開いてもらうから「おばあちゃんちのお店」
地方農家から直送された野菜や果物を、ご近所の住民に無料で配布するイベントです。

月に3回、箱に入れられて送られてくるのは、サイズ等で規格外となっているものの新鮮で味の良いものばかり。これを箱から出して袋詰めし、施設の軒先に並べれば、おばあちゃんちのお店の完成です。

農家と施設の橋渡しを行うのは、メディアネット女子10人会(本部:神奈川県相模原市)。
地域女性の知恵と行動で、経済の流れを都市部から地方へ変え地方活性化を実現するために立ち上がりました。
メディアネット女子10人会は全国産地から施設へ農産物が直送される仕組みを作りました。

「袋詰めをすることで手を動かす、利用者みんなでお話をする、近所の子供たちが来てくれてお話しをする、「ありがとう」と言ってもらえる、高齢者がやりがいを持ち、楽しくなる。それはQOL(生活の質)の維持向上を目的としています。」

これまで行っていたレクの準備時間がなくなり、専門性の高い本来の業務に集中できるため介護スタッフのモチベーション向上にも。 また特長のある取り組みは、ケアマネージャーからも紹介されやすい営業上のメリットや、お店の運営スタッフとしてパート従業員を採用すれば、介護施設の多くが抱える人手不足の問題にも一石を投じることとなるでしょう。

「利用者のQOLの維持向上だけでなく、施設にとってもメリットの多い取り組みです」(佐藤氏)

介護施設でサービス提供時間内に、野菜や果物を配布することについて問題とならないのか、同会が得た厚労省や自治体行政担当課の見解は次の通りです。


利用者(近所の方)に金員の負担を求めず、野菜や果物の生産者責任(介護事業者の責にないこと)を明確にすれば、介護保険法上、サービス提供時間内であっても問題はないと判断する
(厚生労働省老健局振興課)


1.QOLの維持、向上など利用者のためであることを第一の目的とすること
2.「仕事」ではなく、手を動かす、お話しをすることで、本人の機能回復目的であることを、利用者本人及び家族に説明すること、又は施設内に提示すること
3.お一人住まいの高齢者に出かける機会を作ったり、幼稚園や保育所を通し若い方や、その子供さんに来ていただくようにすること
4.職員、スタッフの応募、営業上の効果は2次的として過度な宣伝をしないこと
(自治体行政担当課、さいたま市)


と言っても全国に例のない取り組み、まずはお試しでやってみることをおすすめします。 メディアネット女子会では、1ヶ月のお試しを30,000円で受け付けています。

料金に含まれるものは、規格外の野菜・果物(2箱×3回)が農家から直送されること、3~5個入る大きさの小分け用の袋、無料配布の告知用チラシ1000枚です。
今回は東京都、神奈川県にある施設限定としますが、今後は全国に展開予定です。

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