採用経路の8割はインターネットといわれている。インターネットといってもパソコンからではなく、スマホである。スマホで検索し、自社サイト・自社採用サイトが登場しないと全く存在しないものとして取り扱われる。
世の中の採用はネットなのだ。
一方、K社は社員40名ほどの卸売業。K社で社員・パートともにハローワークだけで人が採れている会社である。たまに昔ながらの折り込み広告を使っているという。
(K社との会話)
福田 「なぜ、御社はハローワークで人が採れているのですか?」
K社長「うーん、まあウチも以前より苦戦してますけど・・。ハローワークの人はウチに対して良くしてくれますよ。たとえば・・」
福田 「なるほど~」
総務部長「この前もハローワークだけで6人応募がありました」
福田 「ほー」
次の日、私は事務所から徒歩2分のハローワークに突撃した。仕事を探している人にまみれて、番号札をもらって仕事を探してみたのだ。私は失業給付をもらってハローワークで求職活動をしたことはないのでとても新鮮だった(多くの社長も同様だろう)。もちろん、K社の求人票と他社の求人票を比較したり、他の仕事を探している方を観察してみた。
結論からいえば、K社の求人票の内容が何か特別に素晴らしいというものでもなかった。しかし、他社のハローワークの求人票が全くダメなものであることがわかった。つまり、人を採ろうという意欲が感じられない。会社の魅力が全く伝えられていない。
「(どうせ応募がないと思うが)タダだから、一応今まで通り出しておけ!」と上司にいわれて、ルーチンワークとして事務担当者が求人票を出しているのだろう。おそらく、中小企業の社長はハローワークの求人票などチェックはしていない。もし、チェックをしていたら、絶対にこの内容にはならないという求人内容が山ほどあった。応募がないなら、打ち出しや表現を変える、というPDCA発想がないのだろう。
大手企業はハローワークなど見向きもしない、ハローワーク頼みなのは、採用コストが捻出できない中小・零細企業が大半だ。
そうだとすれば、中堅企業・中小企業のアッパークラスが、本気になってハローワーク採用を研究すれば、勝てる土俵で相撲がとれるのではないか、というのが結論だ。高い費用を払ってリクナビで大手企業の引き立て役になるよりマシではないか。
もちろん、昔のようにワンサカ人が来る、そんなことは期待できない。しかし、いま中小企業が困っているのが、「フツーの1~2人」の応募もないことだ。だから、その1~2人に面接に来てもらう。
飲食店経営者は常に店舗をまわって、客の反応を確かめている。
採用に本気なら、社長や採用担当者は自らハローワークに出向き、求職者の気持ちになって、ライバル企業のものを含めて求人票を眺めてみるべきだ。常に問題解決のヒントは現場にある。
また、現地に行けなくてもハローワークインターネットサービスという日本最大の求人サイトをじっくり求職者目線で眺めみることもできる。
ハローワークインターネットサービス
https://www.hellowork.go.jp/
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