潜在的介護福祉士、掘り起こしのススメ

介護保険が始まり早18年が経過します。

しかし、介護者の絶対数は足りていないのが現状です。それは何故なのか?今回はその現状と、打開策である潜在的介護福祉士の掘り起こし(採用)について、以下に述べていきたいと思います。

介護保険・障害者総合支援法など、何らかの介助・支援が必要な方々が増え続けています。

そしてこれは今後、減ることはなく増え続けていくでしょう。

そうすると、そういった介助を必要とする方々は当然のことですが、介護福祉士やヘルパー(以下総じて介護員)の支援を受けて生活していく必要があります。

現在は施設だけではなく、在宅での生活を国では推奨しているので、ますます介護員のニーズは高まってきます。

しかし、人手不足で施設でも在宅でも各事業所は悲鳴を上げている状況です。

 

潜在的介護士という存在

介護員の資格は取得しているが、介護業界で仕事に従事していない、いわゆる潜在的介護士が多数いることは、有名な話でしょう。

では、なぜそのような実態に陥ったのでしょうか?いくつかの理由が考えられると思います。

 

給与待遇面

ここは従来の給与体系や待遇面を御存知の方は大いにうなずかれるポイントかもしれませんが、やはり給与待遇面の兼ね合い・問題で過去に退職された方というのは多くいらっしゃいます。当時は介護だけの給料では生活ができなかったので、今は他の仕事をしている、ということが往々にしてあります。

 

人間関係

これも介護関係の職場では経営側の対応が後手に回る事も多かった、という背景があることから、一種のトラウマの様な形で介護の志とスキルがあるのにも関わらず、復職を妨げている要因の一つです。

どこの職場でも人間関係はあるのですが、介護業界は上記の給与体系のこともあり、少しでも人間関係が悪ければ、離職してしまうのです。

 

腰痛

介護の宿敵と言える腰痛です。

ヘルニアになりしびれが出たりすると、最悪手術になってしまいます。介護現場の腰痛は労災適応にならないのです。この場合は働く意欲があってもドクターストップになってしまうこともあります。

各事業所において、過去離職された方の離職理由は大きくわけると上記の3つが挙げられると思います。

では実際、今現在の介護事業所を取り巻く環境や状況は、過去と比較してみてどうなのでしょうか?

 

給与待遇面

この点は改善されつつあります。

処遇体制加算が算定できるようになりました。

この処遇体制加算は施設側で使うのではなく、介護員に還元させるために特化した報酬です。

そのため、実際の給与より上乗せされます。

上がる金額は各々違ってきますが、2万も上がる人もいます。これはやりがいになるのではないでしょうか?月に2万円違えば、年間24万円、5年で120万円も変わってきます。これは大きいと言えます。

実際、他業種から介護業界に戻ってきた人も増えてきています。

 

人間関係

これも、過去はあくまでも現場のスタッフに責任がおよび、管理者やいわゆる上長・所属長はあまりタッチしないケースもみられたところですが、現在は教える側が責任を取らされることが多く(パワハラ)、教育係もいるところも増えてきて、全体の空気はよくなってきています。

ここは現在の制度上、管理側が十分に環境整備にコミットすれば従来よりは改善しやすい問題だと言えるでしょう。

 

腰痛

これに関しては、残念ながら諦めざるを得ないかもしれません。コルセットを巻いたり、家事支援のみを行う方法もありますが・・・。

 

潜在的介護福祉士へのアプローチ

これらの要素に加えて、働く側から見れば、今は働きやすく休みも希望を聞いてくれる事業所も増えてきました。

これから介護の業界の報酬体系も国などの支援により、upすることが予想されます。

実際、平成30年4月から始まる改正介護保険でも事業所自体の報酬があがり、還元されることが予想されます。

子供が小さく働く時間が制限される場合は、在宅系のサービス(訪問介護事業所・デイサービス等)を選択し、お金を多く稼ぎたい場合は施設系のサービス(特別養護老人ホームや老人保健施設・療養型病院等)で夜勤をすることにより手当もでるのでそれなりの収入を得ることが出来る、というアプローチも十分可能と言えるのではないでしょうか。

 

さいごに

昔のような介護のイメージではなく、今は働きやすさをうたう、事業所も増えてきました。

今後絶対介護の世界はもっと必要とされる業種です。

採用にあたっては復職・転職をお考えの人の採用も検討しておくと、即戦力で稼働出来るスタッフを迎え入れられることでしょう。

 

 

関連記事一覧