M&Aの相談に乗っていて、売り手の経営者は、譲渡後に社員がリストラされないか、そこは必ず心配されます。
しかし実際はそれほど心配はいりません。
介護事業のM&Aの場合、逆に社員を引き継げないとマイナスの評価になりかねません。
買い手企業にとっても、立ち上がりの所でベテラン従業員がいることは心強いことですから、逆に「従業員が辞めないようにお願いしたい」という事がほとんどです。出来る事なら全員が残ってほしいと、買い手側は考えるでしょう。
もし大幅なリストラをしないと利益が出ないようなM&Aの場合も、往々にして買い手企業も近くで事業を運営していたりするため、欠員が出ている事業所へ異動させることになるでしょう。
いずれにせよ、譲渡契約書の中に、従業員の雇用維持や不利益変更の禁止が盛り込まれるのが一般的です。
雇用の維持をM&Aの条件に経営者がすれば、その条件が飲めない企業は買い手企業にはならないでしょう。
社員は、M&Aの交渉がすべて完了して、譲渡契約書を締結した後に、ある日突然に会社売却の事実を知らされます。自分の身に降りかかる突然の出来事に、当然非常に不安になっています。
この状況をしっかりと収めて、前向きに業務に励んでもらうようにすることが、買い手の最も腐心するところであり、売り手社長の最後の仕事ということになります。
不安を強いるM&Aですが、自社よりも規模の大きな会社に買ってもらうことが多く、むしろM&A後に従業員の待遇が向上するケースが多くあります。
そういった意味では、大きな会社に売却することが多いM&Aは、会社売却を考え始めた時よりは、結果として従業員に喜んでもらえるケースは少なくありません。
中小零細企業のM&Aの具体的な進め方
中小零細企業がM&Aを進める最初の一歩は、とにもかくにも情報収集です。
中小零細企業のM&A成約率は30%。
売却表明したからと言え、すぐ成立するものでありません。
また売却当初は仲介会社も一生懸命に営業活動しますが、買い手がつかなければ、段々と尻すぼみになります。
したがって、売却を検討する方も、複数の仲介会社と契約される事をおすすめします。
実は仲介会社は、これを嫌がります(本当は独占したい)。
しかし成約率10%では、こちらも安心できず、打てる手は打っておきたいものです。
おすすめは、複数サービスの使い分け
・専門コンサルタントによるM&A仲介
・インターネットマッチング型のM&A仲介
の併用。
基本は専門コンサルタントに相談しつつ、保険の意味も込めて、インターネット型にも登録。
インターネット型は掲載無料、おまけに売却成立しても売り手に手数料はかかりません。もちろん秘密は、きちんと保持されます。
しかも、話が進み、プロのサポートが欲しい場合は、途中からでも専門コンサルタントに依頼することもできます。
無料の仲介会社なら、登録してみてリスクはありません。
◆専門コンサルタントによるM&A仲介会社
こちらの2社は、総資産5億円以上の企業規模が目安です。零細規模になると、取扱NGの判断をされるかもしれません。
比較的、小規模でも対応してくれるのは、後発サービスや、会計士などが提供している地域密着型サービス、それと介護専門のM&Aサービスです。
◆インターネットのマッチングを主にしたM&A仲介会社
特に小規模事業所の場合、インターネットのマッチングサービスの利用は必須です。介護事業のM&Aは企業規模重視。年商1億円以下や赤字事業所などは、専門コンサルタントが仲介に熱心に動いてくれないことも有り得ます。
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インターネットですが、企業秘密はしっかり守られます。
また初期費用はおろか、M&Aが成立しても費用がかからないケースがほとんどです。