M&Aの交渉過程において、買い手はどのような心理状況のもと交渉を進めるのでしょう。
交渉過程において、買い手を行動に駆り立てるものについてみていきます。
より安く買いたい
過大な投資をして、自社の企業価値を下げてしまっては元も子もありません。
より安く買収できれば、それだけ企業価値を増大させることができます。
したがって、当然買い手としては、よりや安く買収したいというのが動機です。
買い手の中には、その企業のアラ探しをして、買収価格を引き下げようとするケースも見受けます。特に交渉を担当するのが、経営企画室のようなサラリーマンの場合、希望価格より「どれだけ値切ったか」が評価につながったりするため、本質的でない議論でもって値下げ交渉をしだす買い手もいます。
都合のよいスケジュールで進めたい
例えば、買い手には決算月があり、どうしても今期の決算の中で進めたい、あるいは逆に、売り手の業績状況をもう1年見てみたい、M&Aのための資金調達が半年後にならないと出来ないなど、買い手にとって都合のよいスケジュールがあります。
問題なのは、買い手の社内事情が売り手にはわからないため、交渉戦術として時期を遅らせているなど、場合によっては売り手の不信感を招き、交渉が破談になるケースも出てきます。
リスクを負いたくない
買い手企業としては、買収の際のリスクを最小にしたいため、交渉過程においても、リスクヘッジのための要望を売り手にぶつけてきます。
例えば、社員の勤務継続の意思や能力を確かめるため、買収決定前に直接面談を行いたいとか、サービスや人材の質を確かめるため、施設の見学を希望する事業者もいます。
しかし、情報漏洩のリスクを恐れて売り手は嫌うため、買い手と売り手との間でせめぎ合いが起こってしまいます。
このあたり、どちらが、どれくらいリスクを負担するか、買い手から言えば、どれくらいのリスクを許容するのかという事になります。
負の資産は要らない
事業譲渡の場合、その譲渡対象を売り手と買い手の間で自由に決めることができるため、黒字の事業所だけ買収、赤字の事業所は要らないや、リース資産は引き継がないなど、自社にとって都合の良い条件を提示して、美味しい所取りを狙うでしょう。
自社単独で交渉したい
買い手候補が複数いる場合、買収価格がつりあがる要因となるため、買い手はなるべくなら独占的に交渉したいと望みます、 したがって、通常買い手は、オークション形式のM&Aを好みません。
なるべく競合が少ない状態で売り手と交渉するためには、よりスピード感をもって検討を進めることが重要です。売り手は売却を急いでいるのが通常ですし、売り手は早く売却してスッキリしたいと思うようになるため、早く検討を進めてくれる買い手との交渉を優先する傾向にあります。
通常、買い手と売り手との間で基本的条件に達した場合、1~3か月程度の独占交渉権が買い手に与えられます。
中小零細企業のM&Aの具体的な進め方
中小零細企業がM&Aを進める最初の一歩は、とにもかくにも情報収集です。
記事中に書いているよう、中小零細企業のM&A成約率は10%。
売却表明したからと言え、すぐ成立するものでありません。
また売却当初は仲介会社も一生懸命に営業活動しますが、買い手がつかなければ、段々と尻すぼみになります。
したがって、売却を検討する方も、複数の仲介会社と契約される事をおすすめします。
実は仲介会社は、これを嫌がります(本当は独占したい)。
しかし成約率10%では、こちらも安心できず、打てる手は打っておきたいものです。
おすすめは、複数サービスの使い分け
・専門コンサルタントによるM&A仲介
・インターネットマッチング型のM&A仲介
の併用。
基本は専門コンサルタントに相談しつつ、保険の意味も込めて、インターネット型にも登録。
インターネット型は掲載無料、おまけに売却成立しても売り手に手数料はかかりません。もちろん秘密は、きちんと保持されます。
しかも、話が進み、プロのサポートが欲しい場合は、途中からでも専門コンサルタントに依頼することもできます。
無料の仲介会社なら、登録してみてリスクはありません。
◆専門コンサルタントによるM&A仲介会社
こちらの2社は、総資産5億円以上の企業規模が目安です。零細規模になると、取扱NGの判断をされるかもしれません。
比較的、小規模でも対応してくれるのは、後発サービスや、会計士などが提供している地域密着型サービス、それと介護専門のM&Aサービスです。
◆インターネットのマッチングを主にしたM&A仲介会社
特に小規模事業所の場合、インターネットのマッチングサービスの利用は必須です。介護事業のM&Aは企業規模重視。年商1億円以下や赤字事業所などは、専門コンサルタントが仲介に熱心に動いてくれないことも有り得ます。
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インターネットですが、企業秘密はしっかり守られます。
また初期費用はおろか、M&Aが成立しても費用がかからないケースがほとんどです。