厚生労働省は9月20日に、平成29年介護サービス施設・事業所調査の概況を公表しました。各データとともに、トピックスを紹介します。
1 施設・事業所の状況
介護予防サービスの事業所数をみると、介護予防訪問介護が34,113 事業所、介護予防通所介護が 41,448 事業所となっています。
2 介護予防サービス
施設・事業所数
利用者1人当たり利用回数
≪トピックス≫
介護予防通所介護は、1年間で578事業所が姿を消しています。「健康な状態を保ち、要介護状態にならないように予防する」と言うのが介護予防サービスの趣旨ですが、収益率が低いことが問題です。慈善事業ではありませんので撤退やむを得ずといったところです。特に介護予防通所介護は、年間578件も消滅するなど、事業として成り立たないことが明確にされています。
このまま介護予防の撤退が続くと肝心な予防がままならなくなります。大事なのは金なのか国民なのか、国は真剣に議論しなければなりません。
3 地域密着型介護予防サービス事業所
施設・事業所数
利用者1人当たり利用回数
≪トピックス≫
社会福祉法人長岡京せいしん会は2018年10月1日から、介護予防型通所施設を京都府長岡京市に開設しました。同市と連携した初の施設で、定員は10人と小規模。買い物と調理、入浴、和裁や洋裁など生活機能サービスのほか、音楽教室やビデオ体操、生け花など認知機能向上サービスを実施しています。介護予防を事業所に丸投げするのではなく、市町村と共同する姿勢がますます求められます。
4 介護予防支援事業所
施設・事業所数
利用人員階級別事業所数の構成割合
5 要介護度別利用者の構成割合
≪トピックス≫
厚生労働省は、高齢者の保健事業と介護予防を一体的に実施する方針を打ち出しました。介護保険と別々に行われている介護予防を一体的に実施し、保健師らが高齢者に効率的に接触する機会を増やすことで健康寿命の延伸につなげたい考えです。年内に具体的な方策をまとめる方針で、高齢者医療確保法や介護保険法などの関連法改正も視野に入れる予定です。