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上手な年休暇管理でコストアップを回避しよう

(年次有給休暇を侮ってはいけない)

従来は年次有給休暇は、消化する人は消化する、消化しない人は消化しないという状況でした。しかし、これからは社員であれば平均して7割程度は必ず取得する、パート・アルバイトに至っては全部消化する(させなければ不都合がある)時代がスグにやってきます。理由は「働き方改革」です。

2019年4月1日施行の労基法改正で年次有給休暇が10日以上(繰り越し分含まず)付与される労働者は雇用形態にかかわらず5日間は強制的に企業が取得させなければならなりました。パート・アルバイトはもちろんこの「5日」にとどまることはありません。パンドラの箱がパックリと開くのです。

また、賃金債権の消滅時効について2年から5年にする労基法改正がなされる予定です。これにより年次有給休暇は5年間繰り越せることになります。この改正は2020年4月1日から施行できるよう現在、関係機関で積極的な議論がされています。これからは欧米並みに年次有給休暇の消化が進むことは間違いありません。年次有給休暇対策やその管理を深く考えずに今まで通りやっていると、経営に大きな影響があります。

 

(年1回基準日付与方式はムダと不公平だらけ)

有給休暇の管理で多いのは単純に年1回(たとえば4月1日)を基準日として、基準日に有給休暇を一斉に有給休暇を与えるというものです。

単純に4月1日に基準日をそろえるだけの方式ですと、かなりの不公平・与えすぎのムダが発生します。たとえば、9月1日入社の人は入社6ヶ月経過した2月1日に10日、さらに翌々月の4月1日に11日付与されることになります。つまり、たった2ヶ月間で21日の有給休暇が付与されることになります。法律を下回る付与はできませんので、常に従業員有利に前倒しで付与されることになるわけです。ですから、福田事務所では年1回基準日方式はおすすめしていません。

 

(統一したいなら少なくとも年2回基準日方式に)

不公平や無駄を若干緩和するために、「年2回の基準日方式」はまだおすすめできます。基準日を仮に4月1日と10月1日に設けたとします。たとえば、7月1日に入社した人がいたら、6ヶ月経過後の12月1日に10日付与されます。この人の2回目の付与日は翌年4月1日ではなく、翌年10月1日とするわけです。

完全に公平かつ無駄がないかというとそうではないのですが、年1回基準日方式より随分マシではないかと思います。

 

(最もおススメは年12回基準日方式)

実は、1年や半年の基準日方式というのは、昭和の遺物です。新卒を一括採用で多数雇って、集団的に管理するために便利な方法でした。しかし、平成5年の労基法改正により、当初継続勤務要件が1年から6ヶ月に短縮された時点でその役割を果たせなくなったのです。

私は入社月に対応した年12回基準日方式が最も良いと考えます。たとえば、給与の締日が20日締めの末払いである会社であれば、4月1日入社した場合、前月の3月21日に入社したものとみなして基準日とします。

労務担当者から「事務量が増える!」と批判があるのですが、一定の事務コストをかけてでも、合理化しながら年12回基準日方式を採用するべき時期にきているのです。特にパート・アルバイトの出入りのある会社はその年休管理がズサンであれば、そのコストが莫大になります。


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