私は、少なくとも京都では最も他人の給与明細を見る立場にあると考えている。つまり、現場・現実・現品にまみれて生きている。
コンサルタントやセミナー・書籍などが語る給与理論と、現場での理屈は異なっていることが多い。その一つが、年収の決まり方だ。
コンサルタント・書籍の理屈はこうだ。
●給与は勤続・年齢・能力成果によって決まる
●賞与は毎回リセットされ、半期毎の成果できまる
●成長したら給与・賞与をあげていく
中小企業の経営者の理屈はこうだ
●月給は勤続・年齢・成果によって決まる
●しかし、賞与は前年と見比べながら、年収ベースで前年と下回らないように決める
●成長して欲しいと”淡い期待”を込めて年収を上げていく
これは人を雇い、自らの財布から給与を払ったことのないサラリーマンコンサルタントには理解できない理屈だ。つまり、こんな理屈を主張している書籍やセミナーは世の中にはない。
しかし、大手企業が採用している緻密な給与制度がない、社員200名未満の会社の8割は「勤続年収方式」を採用していると断言できる。
オーナー経営者の想いは会社の業績がどうであれ、付いてきてくれる社員は毎年、少しでも報いたい、生活向上を実現したい、だだ、それだけだ。
一方、勤務年数が長く、50代になって馬力が落ちてきた人には賞与の支給割合を下げて調整している。これを「逆・勤続年収方式」という。
筋の通った理屈・理論ではなく、給与というのは結局、いくら払うかだ。この泥臭さを経営者は本能的に理解し、実行しているに過ぎない。
コンサルタントを雇って、給与制度をつくった、でもどうもしっくりといかない。
中小企業にとって、しっくりといかないのが当たり前だといる。
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