(事例1)
社員20名の運送業X社の事例。社員の大半が労働組合(ユニオン)に加入し、未払い残業代の請求をしてきました。その額は5000万円を超えました。
結局、会社を廃業する決断をされました。社長や社長の奥さんはもう経営がイヤになってしまったのです。
私も団体交渉に一度だけ参加しました。すごく険悪でした。奥さんは夜遅くにマクドナルドやおにぎりを差し入れたことを言いました。それに対して従業員は「マクドナルドが残業代か!いいかげんしろや!」とすごみました。奥さんは泣いてしまいました。奥さんはとてもきれいな人でしたのでその光景は印象に残っています。
ちなみに東京地裁も大阪地裁も未払い残業代請求訴訟の大半が運送業です。
(事例2)
Y歯科クリニックは地元でも老舗の歯医者さんです。Y先生は2代目の先生です。
歯科衛生士2名が同時に退職すると言い始めした。いま、歯科衛生士の求人倍率は10数倍です。この2人に辞められるともう後任はいません。結局、給与をそれぞれ4万円アップして、遺留しました。でも、いつ「やっぱり辞める」と言われるかビクビクする日々が続きます。
Y先生は「もう嫌になってきたわ」と深刻な表情。
(事例3)
なんと、就活生と社長のパワーバランスが逆転した事例?
https://blog.tsuginanisuru.com/archives/41 .
事例3はさておき、事例1は法的な当然の権利主張、事例2は深刻な求人難に端を発しています。従業員は労働法に基づく権利をたくさん有しています。ですから、それに経営者は抵抗できません。
また、有効求人倍率10倍を超えてくるともう経営者の立場がすこぶる弱くなります。パワーバランスが完全に逆転するのです。
働き方改革関連法による労働法制の厳格化は従業員の権利主張を益々増幅させることは確実です。また、「給与を上げてくれないなら辞めるよ」、「そんな態度とるなら辞めるよ」「それってパワハラですよね」と、正社員・パートの雇用形態の区別を問わず、経営者は無言のうちに脅されることになります。
いま、私のクライアントをみていても、社員200~300人以上の会社は苦しいながらもそれなりに人が採れている。一方社員20人未満の会社は全く採れないどころか、離職者が相次いでいる会社が少なくありません。
益々、小さな会社の経営者は益々追い詰められる、そんな状況が続いています。
[PR]中小企業のメンタル問題を見抜く不適性検査スカウター
1名500円~ 今なら3,000円分のお試しクーポンプレゼント
不適性検査スカウターを使ってみる(無料)