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処遇改善加算が取れる短時間正規職員制度の導入手順

厚生労働省は平成27年度の介護報酬改定において、介護職員処遇改善加算を拡充しました。
介護事業者が介護職員の資質の向上や雇用管理の改善を進めることが、なお一層促進されるよう加算を拡充したのが基本的な考え方です。介護サービス事業者は、加算の算定額に相当する介護職員の賃金の改善を実施しなければならず、それと併せて、キャリアパス要件や職場環境等要件を満たす必要があり、いずれの要件を満たすかにより、加算率が変わります。

今回のテーマ「短時間正規職員制度の導入」は、このうち職場環境等要件に該当する項目であり、中途採用者(他産業からの転職者、主婦層、中高年齢者等)に特化した人事制度の確立です。処遇改善に限らず、本制度の導入・運用改善により、採用難時代に苦しむ介護事業所の人材活用上の課題を解決すると共に、個々に事情を抱えた介護職員がワーク・ライフ・バランスを実現しつつ、生き生きと能力発揮できる職場環境の実現にも役立ちます。

 

短時間正規職員制度とは

正規職員とは、必ずしもフルタイムで勤務する必要はありません。
昨今、フルタイムの介護職員と同等、もしくはそれ以上の意欲やスキルを持っているものの、諸般の事情により長時間は働けないスタッフが増えています。
短時間正規職員とは、そのような人材を介護事業所でもっと上手く活用する雇用形態の一つです。

短時間正規職員とは、フルタイム(1週40時間勤務)の正社員と比較して、所定労働時間が短い社員であり、かつ次に該当する職員のことを言います。

① 期間の定めのない労働契約を締結している
② 時間あたりの基本給や賞与等の計算方法がフルタイムの正社員と同等

 

どのような時に短時間正規職員制度が効果的か

短時間正規職員制度は、様々な人材に勤務はフルタイムより短いものの、同等の活躍を期待する仕組みであり、以下のような場合に効果を発揮するものと思われます。

① 子育て期の職員の離職を防止し、定着を促進したい子育て期の職員を中心に、社員の立場のまま、短時間勤務をしたい

このニーズは多くあります。短時間制度を活用することで、育児による離職を防ぎ、仕事と育児を両立させることができます。

 

② 親等の介護を行う職員の離職を防止し、定着を促進したい

介護正規職員の平均年齢は40代の前半から中ごろと言われており、実は介護職員自身にも介護離職のリスクがついて回ります。要介護認定者が年々増加傾向にあり、介護に直面する職員の増加は今後益々見込まれ、短時間正規職員制度により、介護による離職を防ぎます。

 

③ 自己啓発やボランティア等の機会を提供し、職員のモチベーションや定着率を向上させたい

個々の価値観、ライフスタイルが多様化するなか、職員が本来やりたい事に時間を確保できるようになり、モチベーションや定着率の向上を促します。

 

④ フルタイムでは働けないが意欲や能力の高い人材を採用したい

時間や休日が希望と合わないためにフルタイムの仕事につけない人も多くなっています。募集範囲を拡大することで、意欲や能力は高いが、正規では働けない職員を獲得できる可能性が広がります。

 

⑤ 60歳以上で意欲や能力の高い高齢者を採用したい

高齢者の中には、年金等の関係でフルタイム勤務を希望しない人も多くいます。募集範囲を拡大することで、専門性や意欲の高い高齢者を採用できる可能性が広がります。

 

⑥ 能力の高いパート職員をつなぎ留めたい

十分に処遇できない意欲や能力の高いパート職員を、つなぎとめるには正規職員として採用することが従来の方法でしたが、短時間正規職員を適用することで、パート職員自身の選択の幅も広がります。

 

短時間正規職員制度の導入

制度導入に際しては、まずどのような役割を期待するのか明確にする必要があります。
役割に対する評価の考え方は、成果に対する評価なら労働時間の成約を質・量の面から考慮した基準が必要でしょうし、能力や行動に対する評価なら基本的にフルタイムと同じ項目・基準であるでしょう。短時間正規職員の月例給与ついては、同じ職種、職位のフルタイム正規職員への支給額から、労働時間に比例して減額するのが基本的な考え方です。
賞与については、フルタイム正規職員と同じ基準で支給します。教育訓練は、同じ職種・職位の正規職員がいる場合は、同等の機会を与えることが重要です。

 

短時間正規職員制度の就業規則例を、こちらに用意しました。ダウンロード(無料)して、参考にしてみてください。