店舗HPにブログページを設置することの意味と効果を知ろう

小売業界の広告費は頭を悩ます問題だと思います。また、単純にHPを開設したからといって解決する問題でもありません。良く目にする「まったく情報の更新されない店舗HP」は、せっかく訪れたお客さんから見れば、「営業してないの?」という疑問を持たれるものです。今回は広告費の削減と固定客の獲得のためのHP運用を、ブログページの設置に絞ってご紹介します。

 

スマホ社会の広告はネット上で行う

株式会社日経BPコンサルティングは2000年から携帯電話の国内普及率を調査しており、同社の発表によると2015年度の国内におけるスマホ普及率は49.7%ということです。今や国民の2人に1人がスマホを持ち、日常的にネットからの情報収集を行うことができるようになっているということです。それは誰もが知っていることのようですが、そこにアプローチするための行動に移している店舗は実はそこまで多くない印象です。特にスーパーマーケットなどの食料品・日用品関連の小売業界ではその傾向が顕著なように思えます。

▼データ参照元は『nikkei BP net』
http://www.nikkeibp.co.jp/atcl/news/1508/083101247/

 

HPには随時更新可能なブログページを設置する

HPのトップ画面には様々な要素を設置ことになります。そのなかでも特に大切なのは、「更新されるページを設けること」になります。もちろん、FacebookやTwitterとの連携も重要になりますが、それ以上に随時更新可能なブログページを設置することを意識してください。随時更新されるページがサイト内に存在することは、SEO(サーチエンジン最適化)の観点からも重要ではありますが、小売業界では特に「固定客」を獲得する手段として有効になってきます。

 

ブログが固定客獲得に寄与した例

神戸市のある小売業者は、キュレーションサイト(※1)内の店舗紹介の際に「公式HP」と「ブログページ」のURLを掲載しました。同サイト内の他の店舗は公式HPのみの記載を行いました。その結果、キュレーションサイト内からの店舗HPクリック数はどの店舗でも20000PVの時点で概ね600ほどでしたが、ブログページへのアクセスはさらに400くらいになっていました。単純に6割多くアクセスを集めています。さらにオーナーに詳しく話を伺うと、「定期的にHPを確認しに来る人が増えている」ということでした。ブログの固定客が公式HPの方からブログに訪問することでHP自体のアクセスがアップし、店舗と合わせてECサイトなどを運営している場合にはその売り上げにも結び付く可能性が高まります。実際にこの店舗ではECサイト、店頭売り上げの両方が伸びているそうです。一方、ブログを設置していないオーナーに話を伺うと掲載後「HP訪問の固定客が増えたとは思えない」とのことでした。
※1 キュレーションサイトとは地域別の店舗情報などをまとめて掲載した情報集積型のサイトです。「Neverまとめ」などが有名です。

 

ブログページでやるべきこと

では固定客を増やすためにブログページではどういったことを行えばよいのでしょうか。ブログのイメージから「日記をつける」などが思い浮かびそうですが、せっかくの情報発信ツールですので、的確に売り上げに結び付けたいものです。そこで大切になるのは次の2つです。

①そこでしか手に入らいない情報を記載する

これは販促用のチラシやメルマガの役割をブログに持たせることです。チラシの作成やメルマガ作成にはある程度の費用が必要になります。その点、自身で手軽に更新、編集を行うことのできるブログは便利な存在になります。ただ、消費者への働きかけは別に考える必要があります。

②取り扱う商品のブランディングを行う

小売業において特に有効なブログの活用術が「取り扱う商品のブランディング」です。これは「今、購入する必要を感じ」かつ「その店舗で購入したい」という消費者の行動を促すブログ記事の書き方になります。先に紹介した店舗では1日に1度、取り扱う商品の生産者の声や製造のストーリーを紹介することで、商品に特別な価値を持たせています。
HP内に更新するページを設置するだけではなく、どの程度の頻度でどういった内容の更新を行うかが大変重要になってきます。

 

まとめ|HP作成は外注でもブログ更新は自分で

最後に、HPの作成は外注でもブログの更新は自分で行うことをおすすめします。最近ではクラウドソーシングを利用したブログ記事の外注がメインストリームになりつつありますが、取り扱う商品に思い入れのない記事はやはり見ていてわかるものです。ブログの内容は、せっかくの訪問者を固定客に変えることができるかどうかの分かれ目になるので、自分で更新し、狙った情報をしっかりと発信していくことをおすすめします。

 

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