中小企業の昇給率は何%が適正なのか?

「先生、中小企業って何%くらいの昇給率が適正でしょうか?」

 

とたまにご質問を戴きます。私は昇給率について、個別企業においてほとんど意味のない議論だと思っています。大事なのは「いま支給されている絶対額」それに加算される「昇給額」だからです。でも、皆さん気になるところのようなので記載してみます。

 

上場会社の経営者であり経営計画なども指導されている有名な先生は「昇給率2%は必ず必要だから経営計画もそのように立てなさい」とおっしゃっているのを聞いたことがあります。

 

このご指摘は半分当たっていて、半分間違っていると思います。といいますのは、上場会社・大手企業等は年齢分布が比較的均一です。新卒入社と定年退職がエスカレーターに人が入り、出ていくように一定のサイクルがあります。しかし、中小企業では年齢分布がとてもいびつなので、2%では多すぎる会社もある一方、2%では少なすぎる会社もあります。

 

何が昇給率の決定要素かといえば、ズバリ「年齢分布」です。

 

たとえば、若い人ばかりの会社があったとします。基本給の平均が21万円でした。この会社の昇給率が2%であると、平均4,200円の昇給となり、ちょっと足らないと思います。

 

一方、平均年齢が40代後半の会社があって、基本給の平均が28万円でした。この会社の昇給率が2%であると、平均5,600円の昇給となり、多いです。

 

私は定期昇給の率はおおむね以下のように思います。

 

20代=2.6%程度

30代=2.0%程度

40代=1.3%程度

50代=0.7%程度

 

平均年齢が30代中盤以下の若い会社であれば、いまどき2%以上は必要、平均年齢が40代以降であれば、2%は多いということです。ただし、給制制度の改定時などは、総原資を「上げ潮」にせざるを得ない事情があるため、ほぼ99%、中小企業であっても2%以上の改定率になると考えています。

もちろん、上記は目安であって、一般職的な事務員が多い会社、単純労働の職務限定正社員が多い会社はもっと昇給率は下がります。一方、IT系・薬剤師等の市場の相場が高い人の昇給率はもっと上がります。

 


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