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経営者だからこそ知っておきたい介護用語解説5選~ベッド・車椅子周り編~

介護という現場は、医療との距離も近いことから様々な介護用語、もしくは医療用語が飛び交うような現場です。

そしてこれらの用語については往々にして、経営層はあまり良く把握できていないというようなことがあります。

しかし、それでは現場の状況や、現場で今、何が起こっているかを正確にトップが把握することは難しくなってしまいます。

そこで今回は、各種介護施設の経営者または経営層や、これから経営を目指そうという方に経営者だからこそ知っておきたい「現場で使われる介護用語」についてご紹介していきます。

まず今回はベッド周りや、車椅子周りの用語についてご紹介をしていきます。

こちらを元に、現場により距離の近い経営者でいることができるようになります。

 

褥瘡

まずはこちらのキーワードから。

こちらは「じょくそう」と読みます。

いわゆる「床ずれ」です。

要介護状態の方については、1日の大半をベッドに寝た状態でお過ごしになる方も多くいらっしゃいます。そして1日の大半がベッドに寝た状態と言うことになると、当然ですが体のある一部分がずっとベッドと密着していることになるわけです。

これでは皮膚の血流も悪くなりますし、場合によってはどんどん皮膚に血が通わなくなってしまったことで傷ができてしまったり皮膚がただれて外傷を負ったような状況になってしまいます。

ちなみにこの褥瘡というのは一番程度が重くなると皮膚だけでなく骨にまでダメージが入ってしまうことがあり、皮膚がぽっかりと穴が開いて、骨が見えるというような状況まで重症化してしまうケースもあります。

一般に身体機能に問題のない方は、無意識に寝返りを打つなどしてこのベッドと体の一部分がずっと密着している、という状況を避けることができるわけですが、要介護状態の方については自力で自発的に寝返りを打つことが難しいというケースが多々あることから、寝返りを打てずに結果としてこの褥瘡ができてしまうというケースが多く見られます。

これを防ぐ目的で病棟や介護施設では「体位交換」という事で、介護スタッフが定期的に部屋を巡回して寝たきりの仕方については寝返りをして差し上げるというような業務があるわけです。これにより褥瘡の発生を防いでいるのですね。

ちなみによく業務シートなどには「2h体交」と書いてあることがありますがこれは2時間おきの体位交換が必要であるということになります。

 

手引

てびき、と読みます。

つまり文字通り、手をひいて差し上げることで、要介護状態の方の歩行をサポートするという移動の方法になります。

原則として、要介護者の方の正面に介助スタッフが立ち、本人様の両肘を持ち、そしてご本人様のペースに合わせて一歩ずつ歩行ができるようにタイミングよく歩行をサポートして引っ張ってさしあげるというのが方法となります。

主に移動に利用した自動車などから施設玄関までの移動の際や、ベットから車椅子への移動の際にこの手引き歩行を行うことがあります。

また場合によっては、ご本人様の機能回復の目的で、お手洗いに向かわれるまでの数メートルを手引き介助で移動をお手伝いするというケースもあります。

こちらについては施設の運営においても突発的に手引きの必要が発生するシチュエーションもありますので、理事の方や理事長さんなど、経営層の方も一通り方法をマスターしておくとよろしいでしょう。

新規のご利用者様が初めて施設にいらっしゃった際に、理事の方自らが手引きでご本人様を自動車から施設玄関まで誘導して差し上げることができるようになると、ご家族様からの信頼獲得に大変絶大な効果を発揮します。

 

移乗

先ほどの手引という用語にも関連するのがこの移乗です。

移乗というのは主に、ベッドから車椅子、あるいは反対に車椅子からベッド、その他車椅子から車椅子、など、様々な場面で「乗り移る」という行為を介助することを指します。

ちなみにこの移乗については大変難易度が高く、習熟度が低かったり経験が浅い場合には何らかの事情で介助が必要な方を落としてしまったり、思わぬ介護事故やインシデントにつながってしまいかねないと言う作業の一つとなります。

そのため経営幹部の方においては施設の見回りの際など、この作業を行っているスタッフには極力その瞬間には話しかけないようにするなどの配慮が必要となります。

 

健側・患側

「けんそく・かんそく」と読みます。

人間は本来どちらの側も健康なことから、両方「健側」です。

しかし、何らかの要因や病気などによって体の半身にマヒをおってしまうというケースが多々あります。

この際、特に問題がなく機能も低下していない方の体を健側、障害があり思うように動かないことがある側を患側と言います。

基本的に介護の現場においてはこの健側・患側をそれぞれ介護スタッフが念頭に置いておく必要があり、それに応じて体温の測定や血圧の測定、並びに様々な補助の方法をどちらの側で行うかということを検討していくことになります。

例えば麻痺を起こしている側はどうしても血流があまり芳しくないケースが多いことから、血圧の測定はこの患側を避けて健側で行ったり、という形でこの用語が使われます。

 

ファーラー位

こちらはベッドの角度の一種です。
完全にベッドが起き上がっているような状況までは至らず、上半身が45°ほど起きている姿勢になります。

一見すると、きちんと起き上がれているような、上半身を起こせているような、そんな状況に見えますが、この姿勢で飲食を行うと角度の問題で誤嚥を起こす可能性が高いとされています。

 

高度な技術で保たれている介護現場

このように医療用語でも使われることのあるほど、高度な専門用語を用いて運用されるのが実際の介護の現場です。

これらの用語については経営者の方だからこそ知っておきたいような内容となっており、この用語の意味を知っているからこそ実際の現場で何が起きているかということをリアルタイムに把握することができるようになるわけです。

そしてこの他にも、介護の現場では事故防止の徹底したマニュアルに基づいて現場の運営がされており、これは経営者であっても絶対に知っておかなければならないものの一つとなります。

各施設で事故防止のマニュアルは用意されているかと思いますが、介護事故防止の観点から考えると、あらゆる施設で共通して絶対に覚えておきたいポイントというのがいくつか存在します。

そこで今回は、これらの介護事故の防止のポイントを押さえた介護事故防止マニュアルというものをご紹介します。

これは介護経営の編集部が実際の現場の声を集めて作成したもので、内容についてはある程度ツボを押さえた簡略化した構成となっていますので何かと忙しい経営者の方にもぴったりの内容となっています。

こちらから無料で、今すぐにダウンロードをすることが可能です。

 

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