オフィスビルの電気代削減!すぐ取り組める節電策6つ
大手電力各社が値上げを計画し、2016年の夏は例年以上の猛暑と言われています。企業の損益に大きな影響を与える電気代について、地味に出来る省エネルギー活動をまとめてみました。
電気代の削減については、ここで紹介した手法以外にもたくさんの方法があると思います。電力会社の何倍もコスト削減に取り組んでいる企業の皆さん、めげずに電気代の削減に取り組んでまいりましょう。
1.外気の取り入れを適切に行う
冷暖房負荷のうち、外気の占める割合は年間を通じて平均40%程度あります。室内環境に注意し、外気取り入れは最小になるよう調節しましょう。
特に朝方、冷暖房を開始するときは、外気取り入れはやめましょう。逆に中間期や冬期に冷房は必要な場合は、外気と外気取り入れを活用しましょう。
室温と外気温の差が大きい時は、夏はそのまま外気が入ればせっかく冷房の効いた室内に暑い空気が入ってきます。冬はせっかく暖まった部屋に外の冷たい空気が入ってきますので、全熱交換器の扱いに注意しましょう。また温度差の小さい中間期には全熱交換器の動作を停止させて外気をバイパスさせることも肝心です
2.熱源機器の運転を合理的に
ボイラーの空気比は1.1~1.3の適正値に保つと、燃料の節約になります。 貯湯式ボイラーの場合、運転を止めてもボイラーや配管内に湯が貯まっています。早めに運転を停止して残り湯を無駄なく使い切りましょう。
冷凍機は出来るだけ冷水温度を高くし、冷却水温度を低くして運転すると効率的です。負荷の変化に応じて自動調節器の設定温度を変更し、効率の良い運転を心がけましょう。
吸収式冷凍機は、新空道の保持が大切です。抽気装置の作動状況や進行度、温度を常に点検記録し、異常の早期発見に努めましょう。 ボイラー、冷凍機が複数台あるときは部分負荷に応じた台数制御を行いましょう
最後に深夜電力を使用した蓄熱層の場合、負荷を予測した運転と一次側系統の温度差を大きくして、蓄熱層の利用効率を上げることがポイントです。
3.必要以上の湿度維持をやめる
オフィスエリアの相対湿度は夏70%を超せば除湿、冬40%未満では加湿しましょう。オフィスエリア以外は原則的に除湿目的の再燃はやめましょう。
ヒューミディスタットの設定値は夏は高めに、冬は低めに設定し、除湿用エネルギーを減らしましょう。
残業時間中は機器に支障のないところでは、加湿を停止しましょう。
最後に機器の要求湿度条件を見直しましょう
4.過冷・過熱、冷房暖房エネルギーの混合を避ける
冬季にペリメータ(窓側)は暖房、インテリア(内側)は冷房を行うことがありますが、同時冷暖房による熱損失を減らす工夫をしましょう。
空調設備は負荷にあわせて大きめに作られています。風量や水量の調節、冷温水の温度差を少なくして、混合によるエネルギーロスを減らしましょう。
冬、天井面と床面の温度差が大きいときは、送付量を多くして吹き出し温度を下げるようにしましょう。
最後に局部的な過冷や過熱を防ぐために、ダクトのダンバーや吸気口を調節し、風量調節を行いましょう。
5.給水・給湯の節約を行う
フラッシュバルブの水量調節、節水コマや定流弁により、節水を図りましょう。節水は水道料金だけでなく、給水動力を含めて一石二鳥の省エネルギー効果を生みます。
給湯温度は手洗いに必要な最低温度(32~38度)に下げます。また冬季以外は原則的にやめる方向で検討しましょう。
厨房など高い温度が必要な場所は、湯沸かし器を使いましょう。
給水・給湯配管系の漏水を検査し、漏水箇所があれば修理します。またストレージタンク、配管の断熱を点検し、劣化があれば補修しましょう。
6.動力設備の省電力化を図る
エレベーターは頻繁な運転・停止を減らす工夫を心がけましょう。また低階層への利用者には階段利用のアピールをしましょう。エスカレーターは利用者の多い時だけ運転し、下降用は全休してみましょう。
建物入口の自動扉は中間期は手動にして、動力の節減をはかります。ファンポンプ用の電動機は容量過大なケースがあります。消費電力をチェックし、軽負荷のものがあれば、ランク下げの電動機を交換するのが得策です。
負荷変動の多い用途、特に変速を要するファン負荷に対してはインバーター制御が有効です。
契約電力と消費電力を比べてみて下さい。特に夏季のピークロードに対しては、デマンドコントローラーを活用して低減に努めて下さい 最後に電気設備の三相負荷のバランスを取ってみましょう。また無負荷時にトランス一次側を遮断することは損失低減の有効手段です。
「企業がコスト0円で出来る電気料金削減術」もあわせて読めば、費用をかけなくてもまだまだ取り組み可能な事があるのが分かります。電気代の値上げに負けず、知恵と行動で電気料金の削減に取り組んで参りましょう。