地方食品スーパーの大型店対策で抽選会を活用した集客成功事例
今回はある地方スーパーマーケットの抽選会を活用したい集客の成功事例をご紹介します。食品スーパーマーケットA社が展開する店舗は150坪~200坪の売場面積が多く、昨今のSM業界では、比較的、小型の店舗と呼ばれるタイプが中心となっています。
競合するスーパーマーケットやGMSの食品売場は300坪~500坪のサイズが多く、特に週末の集客に苦戦する店舗が多くなっているため、その問題解決を図ることが重要な経営テーマとなっていました。
特にショッピングセンター型の競合店が出店後は、ゴールデンウィークや盆、年末などの家族連れ客は大型店を好む傾向が強く、“売れる日”に売上があがらないという事態が続いていました。
そこで、大型連休の集客対策として、A社の販促検討会議では、抽選会を活用する案が提出されました。
その内容は大型連休前の2週間に抽選補助券を来店客に配布し、実際の抽選会を大型連休の最中に実施しようという内容でした。
抽選補助券は、5枚で1回の抽選が実施できるというものであり、お買上げ金額の500円ごとに補助券を1枚進呈する内容で実施しました。
当選確率については、3回~4回に1回は何らしかの景品が当たるように設定を行い、景品の一部については、仕入先の食品メーカーからの協賛で賄うなど、経費の低減が検討されました。また、抽選会後の来店客数の確保のために、自店舗で利用できる100円の商品券を作成し、最も当たりとして多く出る5等の景品に設定しました。
この企画を実施した結果、売上や集客が向上したと確認できた“効果”が下記の5点確認できました。
抽選会の効果
1.補助券配布期間中の客単価の押し上げ効果があった
2.抽選会が大好きな子供が多いため、子供連れ客の来店頻度が向上した
3.抽選日の3日間に来店客数が前年比で115%~120%で推移した店が多かった
4.抽選日以降も5等の100円商品券を利用するため、集客に効果があった
5.継続的に実施することで、3連休などのアテにできる集客企画に育った
スーパーマーケットA社においては、景品代など経費はかかるものの、チラシサイズを大きくして折込費用を増加させ、大目玉を出して粗利益を低下させる従来の手法よりも、費用対効果は高いという結果になりました。
地域特性や競合店との関係で効果の大小は異なると思いますが、検討に値する販促企画ではないでしょうか。