スーパーマーケットの現場がコスト意識を変えて、電気代を削減する手法

これまで5000店以上の食品スーパーやドラッグストア、遊技場、カーディーラー、DVDレンタル店などへの省エネコンサルティングを手がけてきた株式会社アイ・グリッド・ソリューションズ(旧社名:株式会社環境経営戦略総研、東京都新宿区、連絡先:nasu@igrid.co.jp)によると、電力コスト削減で成果を出すには、絶対に手順を間違えてはならない黄金律があるようです。(下図)

 

資料:見えタローR アイ・グリッド・ソリューションズ

 

せっかく導入した最新の省エネ設備も操作するのは現場の社員。期待通りの省エネ効果が生み出される場合もあれば、宝の持ち腐れで終わる場合も残念ながらあります。
設備改善の前に運用改善。現場のコスト意識をまず変えて、その高いコスト意識でもって、新しい省エネ設備を導入・運用する。これがライバルとの競争力を生みます。

では、どのようにして現場のコスト意識を変えるのか、今日はそんな内容です。
テーマは電気代ですが、店舗にかかる全ての経費に当てはまるのではないでしょうか。

 

電気の見える化

「何かを変えたければ、まず現状がどうなっているかを示せ」
社会人生活を始めた頃に、当時の上司から言われた言葉を引き合いに出すまでもなく、スーパーマーケットの現場を巻き込んだ省エネ活動は、電気の使用状況の見える化から始まります。

アイ・グリッド・ソリューションズが提供する省エネコンサルティング「見えタローR」は、その名の通り、使用電力量や最大デマンド値、電力量料金などをグラフで見える化します。

 

資料:見えタローR アイ・グリッド・ソリューションズ

 

ある月曜の早朝、中部地方で30店のスーパーマーケットを展開するK社の本社に、アイ・グリッド・ソリューションズの省エネコンサルタント6名が集結したのは、今週からK社の各店舗で現場スタッフを巻き込んだミニワークショップが開催されるからです。
これまで見える化コンテンツの各店導入と、経営陣へのヒアリング、店長会議でのキックオフによって、同社の課題はおよそつかめてきました。
業歴の長いK社では、現場で働くパート社員の社歴も長く、新卒採用を中心に育成してきた店長より、各店のリーダー格のパートさんの方が一回りも二回りも年上というケースが往々にしてあり、店長が遠慮してズバッとモノが言えない雰囲気があるようでした。
味方にすれば百人力、上手く巻き込めなければ成果半減、そんなこともあってか、各コンサルタントの表情に緊張の色がうかがえます。
月から金の5日間で、6人のコンサルタントが1日1店舗、全30店舗で省エネワークショップを開催します。

 

独自の現場巻き込みノウハウ

同社の省エネコンサルティングは、5000店舗の指導実績により形成された、空理空論を廃した実践ノウハウです。
中でも特に重要なノウハウであり、同業他社との違いが際立っているのが、現場の特長に応じた省エネ実践指導、言い換えると活動に現場のスタッフを巻き込み、彼らが自主的に取り組み、彼らに成果をあげさせるためのノウハウです。
そこには診断分析するのがコンサルタント、実践するのは社長や社員というようなドライな区分けはなく、スタッフ、コンサルタントが二人三脚で取り組んでいきます。

開店前の各店に足を踏み入れたコンサルタントがまず行うことは、店舗の設備ごとの運用状況の確認。それと、いきなりですが具体的な改善策を実行に移していきます。
ワークショップ前の時間ですが、過去の経験により、店の特長と設備内容を見れば、改善のチェックポイントが一目瞭然、限られた時間でもピンポイントで改善提案に移せます。

現場巻き込み力が大切といいながら、いきなり改善に出るやり方に違和感を持つ読者もいるかもしれませんが、そこには明確な理由があります。
現場のスタッフを巻き込むのには時間的な制約があり(同社が考える時間は40分)、限られた時間の中で納得感を得るには、目に見える結果が必要だからです。

そうこうしているうちに、ワークショップの時間がやってきました。
ミーティングルームに入ってくるスタッフの顔は、今から何が始まるのかと一様に不安げです。中には、コンサルタントが言うような机上の空論で現場の問題は解決しないとでも言いたいのか、あからさまに敵意を見せるパート社員もいます。

そんな雰囲気の中、始まったワークショップで、同社のコンサルタントが最初に行うことが、改善提案後の実績を見せることです。

 

資料:見えタローR アイ・グリッド・ソリューションズ

 

プロジェクターに映しだされた同社の「見えタローR」、そこには昨日までの店舗の電気使用量と、朝から今までの電気の使用量が対比されています。もちろんグラフの下にあるのが今日の使用量、コンサルタントが改善提案を実施した成果の部分です。
これを使用量だけでなく、金額で試算します。K社のこの店舗の場合、1日の削減額が4,940円。年間に換算すると約180万円、全30店舗で計算すれば約5400万円、会場からどよめきが沸き上がりました。

そして、ここからがワークショップの本番、コンサルタントからの題材の提供、スタッフからの問題提起や改善策を全員で話し合います。
事前に店長から聞いていたリーダー格のパート社員には積極的に意見を求め、改善の旗振り役となってもらいました。

着眼点として面白いのは、開店作業や空調、厨房機器等のオペレーションをする人により、電気の利用量が違う点です。これは曜日別に使用量の波形を比較すれば一目瞭然。やり玉に挙げられた人はバツの悪そうな顔をしていましたが、データで示されれば言い逃れできません。オペレーションを標準化し、定められた作業方法にあわせてもらいましょう。

 

資料:見えタローR アイ・グリッド・ソリューションズ

 

こうして省エネ活動を実践するための運用ルールとマニュアルが、参加者全員の力により完成、ワークショップは終了です。

この辺りの活動内容は、資料「電気代の大幅値上げと対応策、『見えタローR』のご提案」の中で、丁寧に実績数値で解説していますので、ご希望の方は、ぜひダウンロードして下さい。

 

流通小売業の省エネ活動をトータルサポート

ワークショップが完了し、省エネのマニュアルが完成したら同社の活動は終わりということではありません。

むしろ定着するための活動こそが大切かもしれません。
同社では各店舗の電力使用状況を常に監視し、遠隔指導を行いながら定着化させていきます。定着化は、およそ1~2ヶ月で完了します。しかし「常に問題が見えるようにしておきたい」と、日頃は「見えタローR」を利用して電気使用量を可視化、何か問題があった時だけコンサルタントの指導を仰ぐようなスタイルで、定着後も継続契約される企業が大半のようです。

このように現場を巻き込んだ省エネ活動により、スーパーマーケットで平均すると8%の電気代削減、さらに同社が手がけるもう一つの柱、新電力を調達すれば平均4%の電気料金の削減、合計12%の電気代削減効果をもたらすこととなります。

最後に、ちょっと信じられない事ですが、「見えタローR」導入を契機に、電力各社との契約電力の見直しが可能となっていることです。
一般的に省エネ設備導入により電気の使用量削減が見込まれ、設備導入を契機に契約電力が見直されることはありますが、省エネコンサルティングという運用改善の分野で、電力会社が契約電力の見直しを行うのは「見えタローR」だけです。これは、同社のこれまでの5000店を超える指導実績がもたらした無形ノウハウに対して、電力会社が一定の省エネ効果を認めている事に他なりません。
このあたりも、株式会社アイ・グリッド・ソリューションズが極めて実効性の高い省エネコンサルティングを提供してきた証と言えます。

電気料金の値上げが流通小売業各社へ深刻な打撃を与えていますが、その状況を逆手にとって、現場のコスト意識を強化して、ライバルとの競争力に差をつける、今日はそんな事例を紹介しました。
詳しくは下記の資料をダウンロードいただくか、直接同社へ問い合わせいただくのも話が早いと思いますので、いずれからでもどうぞ。(同社メールアドレス:nasu@igrid.co.jp

 

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