介護福祉業界の悩み事「人手不足」をSNSで解決する方法

介護福祉業界の悩みの一つに「人手不足」があります。労働力のリソースを確保することができても、思うような人材ではなかったり、なかなか定着が見込めなかったりと雇用後の問題も尽きません。今回は、そういった「求人」の問題を解決する手段としてSNSを利用した介護福祉業界の採用への取り組みをご紹介します。

 

SNSと求人の関係

現在、世界的に力を持つSNS(ソーシャルネットワークサービス)の代表はFacebookとTwitterであると言えるでしょう。2010年頃から急速な広がりを見せたFacebookですが、2014年時点で国内ユーザーは2400万人に上り、Twitterに関しては2014年時点で約2000万人のユーザーを抱えています。もちろん、2016年現在ではさらに増加していることは間違いありません。

これらSNSを用いた採用活動は2012年頃からは国内でも広がってきています。ちなみに、SNS先進国のアメリカでは実に9割近くの企業が求人活動にSNSを利用しており、そのうち約7割の企業で実際の雇用につながっているという報告があります。

▼データはすべてガイアックス社より
https://gaiax-socialmedialab.jp/socialmedia/368

 

採用に利用する際には実名登録のFacebookがマスト

SNSに関しては2つの種類があります。1つがリアル志向の実名公開型SNS、もう一つがネット志向の匿名型SNSです。先のFacebookは実名公開型SNSの代表格で、交友関係、社会的な属性などを含めて本人の顔がより見えやすいという特徴があります。その特性からSNS利用でたびたび問題になる「不謹慎発言」や「炎上」といったリスクが発生する可能性が低く、実際の採用活動につなげるには安心感があると言えるでしょう。

一方で、Twitterなどは匿名型のSNSで、SNS上に登録された情報から利用している本人に結び付く情報を完全にシャットアウトすることが容易です。これは同時に、「発言に対する責任の所在が不透明である」という問題を生じさせ、採用につなげる際にはかなり慎重な判断を必要とするものです。

また実名公開型のSNSにはLinkdInなどもありますが、こちらはより「ビジネス特化SNS」と呼べる機能を備えており経歴(学歴、職歴)、技術、職業志向などの公開が特徴です。ただし日本での利用者はそう多くはなく、利用者の大半がIT系のビジネスマンという属性的な問題があります。

 

実際の採用につなげた例

九州のある社会福祉法人はFacebook上で採用活動を行っています。記載されているのは募集している業種、募集要項が紹介されているページのURL、採用担当者氏名と窓口の電話番号です。これらを記載した投稿を作り法人のFacebookアカウントから投稿し、まずは職員による1次的な拡散を行っています。

法人アカウントからの投稿を職員がシェアした時点でFacebook上の職員の知り合いの目に留まりますが、Facebookは先でも紹介したように「実名かつリアルな属性」が売りのSNSですので、職員の学校時代の友人やその他の知人など社会的な属性の近い人々にピンポイントで情報を共有することができます。現在、Facebookのアクティブユーザーは60%ほどであると試算されていることから、職員1人に100人の友人がいれば、60人に情報を公開することができます。また職員の友人がさらにシェアを行うことで、2次的な広がりが期待でき、思いもよらない人材に結び付く可能性が高くなります。

この社会福祉法人ではSNSを積極的に利用した求人活動を行い、実際の採用につなげています。1度の投稿でSNS利用者の職員はもちろん、2次的な広がり(職員の友人の友人)では平均8人ほどのシェアを獲得しています。その拡散効果は看過できません。

 

まとめ

SNSは広告事業としての利用に注目が集まり、様々な業界で広告費の削減に利用されています。ただ、SNSの利用者と広告ターゲットの間にかい離がある介護福祉業界では、他業界に比べて積極的なSNS利用が成されていないという事実もあります。しかしながら、リアルな情報と繋がりを基にしてピンポイントの集団に採用情報を共有することのできるFacebookでは、求人活動に利用することで対象の志向に合わせたレスポンスをもらうことができ、採用後の安定的な雇用にもつながりやすくなります。まずは公式のアカウントを作成し、職員のフォローから始めてみましょう。

 

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