15~40%も!固いお肉を柔らかくする方法

お肉は値段によって、旨味や柔らかさ、歯ごたえに違いがあります。特にステーキ肉は雲泥の差、高級霜降りステーキ肉等は舌の上で溶けるような食感です。

介護施設の高齢者にとって食事は大きな楽しみ。
咀嚼力の弱い高齢者にとって、お肉の柔らかさは、美味しさを感じる上でとても大切な要素です。若い頃と同じように、お肉を食べたいという思いはあるもの。
そこで今回は、厨房でお肉を柔らかく・美味しくする方法を紹介します。

 

1.漬け込む

漬けておくだけで硬いお肉が柔らかくなるのをご存知でしょうか?
お肉を熱するとかたくなるのは、肉のタンパク質が凝固することと、熱収縮によるところが大きいです。
したがって、お肉をやわらかくする方法としては、タンパク質の凝固を抑えること、肉の保水性を高めることがポイントです。

身の回りの食品で、お肉を柔らかくするのに効果を発揮するものを紹介します。

⬛コーラに30分くらい漬ける

コーラによって肉がやわらかくなる理由は、イタリア料理で使われるマリネと同様です。
マリネを行うと、肉の筋肉繊維が水分を含んで膨張すること、炭酸が肉のタンパク質を溶かして柔らかくなります。

⬛ヨーグルトを両面に塗る

ヨーグルトには乳酸菌がたくさん含まれているので、肉の繊維をほぐし、柔らかくします。

⬛玉ねぎをすりおろして漬ける

玉ねぎにも、お肉のタンパク質を分解してくれる成分を含んでいるので、柔らかくなります。これらの原理は、全て同じです。

 

 

コーラ・ヨーグルト・玉ねぎ

これら以外にも、炭酸水、ワイン、キウイ、牛乳など様々な食品がお肉をやわらかくするのに役立ちます。

これらは食品や天然由来原料であるため安心して使用できる反面、高価なものとなり、毎日大量に仕込みが必要な介護施設の厨房には不向きです。

次に、お肉をやわらかくする方法として、軟化剤(食品添加物)使う方法があります。
よく使用される軟化剤の種類と、その効果を紹介します。

⬛リン酸塩

トリポリリン酸塩、メタリン酸塩などがこれに該当します。 リン酸塩はPH値が高く、高いPH値で処理された肉は水和力が増し、熱収縮が抑えられて、やわらかくなります。

⬛酵素、酵素製剤

酵素は筋繊維を構成するタンパク質を化学的に分解、切断し、やわらかくします。

⬛重曹製剤(炭酸ナトリウム製剤含む)

重曹は水に溶けると弱アルカリ性を呈するため、水和力が増し、タンパク質の変性を抑えることで、やわらかくなります。コーラや炭酸水と同様です。

 

これらは大量に安定的に、手間をかけずにお肉をやわらかくすることは出来ます。

しかし食品添加物は健康面が気になる所ですし、味が抜けてしまったり、ボロボロになることもあります。

軟化剤と同様、大量・安定的に、かつ天然由来原料の安心感、それぞれの良いとこ取りをしたのが、果実から作られた軟化調味料です。
株式会社キティー(本社:東京都新宿区)が製造する果実調味料「ヴィネッタ」は、ぶどう果汁を主原料とした軟化調味料です。

果実調味料ヴィネッタぶどう果汁に含まれる有機酸などが、お肉本来の美味しさを引き出します。
また酵素やリン酸塩を含まず、アレルゲンフリーのため安心して使用できます。

 

使い方は簡単、2~4%の水溶液となるようヴィネッタを水に溶かして、お肉をつけるだけです。

ヴィネッタ使いかた

2.熟成させる

熟成肉がブームです。
一晩寝かせた料理は美味しいと、よく言われます。
お肉も寝かせると時間とともに、お肉の中の酵素によりタンパク質が分解され旨み成分であるアミノ酸に変化し、旨味が増して、お肉も柔らかくなります。

熟成肉を作るには、20日から2ヶ月。これだけの手間暇をかけて作るお肉、美味しさは疑いようの無い所でしょうが、施設の厨房で安価なお肉を高級ステーキ並にといいう今回の主旨からは外れます。

 

3.肉を叩く

ジャガードやハンマーを使って、筋繊維を物理的に切断する、機械的な方法があります。

とんかつや唐揚げなどは、揚げる前に叩いてお肉を柔らかくした方が、口に含んだ時に広がるお肉の美味しさがあります。
ただし肉の繊維を壊してしまうと、肉汁が焼いている時に出てしまい旨味が失われてしまいますので、加減が大切になります。

 

4.実際どれくらいやわらかくなる?

では、これら方法を使って、実際にどれくらいやわらかくなるのか、ぶどう果汁の軟化調味料「ヴィネッタ」に協力をいただき、その効果を測定してみました。

処理条件としては、3%濃度のヴィネッタ水溶液で食材を2時間漬け込み、スチームコンベクションオーブンで焼成、テクスチャーアナライザーでせん断力測定を行いました。

それが下のグラフです。

 

やわらかさの比較

実験の結果、お肉で約25%、魚の切り身で約37%、エビで約15%柔らかくなりました。

ヴィネッタについては、保水効果によるボリュームアップ(歩留まり向上)によるコストメリット、臭みが取れる消臭効果により高齢者向けの薄味メニューでも美味しく仕上がるなど、軟化効果以外にもメリットがあります。
美味しい手作り料理で競合に差をつけたい高齢者施設に、ぶどう果汁の軟化調味料「ヴィネッタ」。無料サンプルのお問い合わせは、ヴィネッタ販売代理店でキティーのグループ会社である、内外マシーナリー株式会社(TEL:03-6380-4591)までどうぞ。

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