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施設集客を考える上で知っておきたい「認知症患者の家族は、ケアを必要とするもう一方の当事者」という考え方

認知症はその病像の多様さだけではなく、どの段階の認知症の人を、どういった心の状況にある家族が在宅ケアをしているのか、といったところをしっかり理解したうえで支援しなければならない難しさがある病気です。

言い換えれば、認知症の人をみているだけでは適切な支援はできません。家族の心をしって初めて、効果的な支援ができてくるのです。認知症の治療やケアにおいては、介護家族が「もう一方の当事者」なのです。

そこで今回は、増患対策や、施設の集客というような部分において知っておきたい「認知症患者の家族は、ケアを必要とするもう一方の当事者である」という考え方について、障害受容の過程という心理学的なメカニズムに基づいて解説していきます。

 

認知症と診断された人の家族も、心にダメージを負う

認知症を介護する家族の心は、大切な家族の一員が認知症と診断されることで大きく揺れてしまいます。認知症という事実に直面する家族の心は、驚愕→否認→怒り→抑うつ(長期間に及ぶこともあります)→徐々に適応→再起の流れを行ったり戻ったりを繰り返します。

介護家族だけではなく、広く心に傷を受けた人の(例:障害受容と類似する)過程を示しましたが、家族の認知症の診断、告知は、家族にとって心の傷と言えるほどの衝撃でもあります。うすうす家族内で気付いていたとしても、やはり診断、告知の時には衝撃を受け、驚き、驚愕の時期に入ります。

しかし、この驚愕の時期は長く続きません。

何故なら、家族は認めたくない事実をあっと言う間に「なかったこと」にするように、無意識のうちに「忘却の彼方」に追いやるからです。

 

家族による「否認」の時期は、認知症患者本人を病院から遠ざける

そして、長期間に渡って無意識の否定、即ち「否認」の時期に突入します。短くても3ヶ月、長い場合には何年もの間、本人の病状を認めようとはせず、否認し続ける介護家族にはこのような心理メカニズムが働きます。

「うちのおばあちゃんに限ってそんなことはありえない」

これがその否認です。

よく聞かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本来であれば治療を優先してほしい時期なのですが、病院に受診すらしてくれない状況で症状が進行する危険性が高いのです。

 

認知症中核症状と周辺症状により「怒り」の気持ちが出現

しかし、否認も永遠に続くわけではありません。ある時期がくると否認しきれない中核症状や家族にとって理不尽とさえ思えるBPSD(周辺症状、例:徘徊・暴言・暴力・不潔行為等)のために、次第に「怒り」の気持ちが出現してきます。

「なんでこうなるの」

「どうしてこれができないの」

これがその怒りの気持ちを端的に表したフレーズではないでしょうか。

その時に虐待をしてしまうケースも増えてきます。その怒りを表面にだして言語化できる家族にはまだ救いがあるのかもしれません。

怒りのエネルギーが言葉に姿を変えると、そこに溜まっていたガスが一気に噴出して減圧するような形で、怒りをコントロールできる場合もあるからです。

しかし、言葉だけでは物足りず虐待という悪循環に陥ることも多々あるのです。

一方、あまりにも熱心に介護に没頭しすぎてやり場のない怒りを外に向けることなく内に秘めたままでいる家族もいます。

本来なら怒りを爆発させてもいいような状況であっても、内省的でまじめな家族は、自分の介護の至らなさを責め、より熱心な介護を目指してしまいがちです。

この時に適切な対応をしてくれる援助者(ケアマネなど)がいればいいのですが…。

(そして、後ほど解説する通りこの時が一番、認知症患者の家族は施設などによる介入、援助を深層心理下で求める時期でもあります)

そのような状況がやがて家族を追い詰めると、抑圧してきた怒りが「抑うつ」となってしまうのです。

 

認知症患者の家族が介護放棄や虐待などの不適切行為に出る理由

かつては、善意で介護してきたはずの家族が、突然認知症の人に対して不適切な行為(虐待・ネグレクト「介護放棄」)に及んでしまう場合があります。

高齢者虐待といわれる行為の中にはこのように追い詰められた家族が思わず及んでしまうものが、ある一定の割合で存在します。何度も「虐待」と記述したのはそのためです。

どの場面にも「虐待」の危険性は含んでいるのです。善意をもって介護をしようとしていたにも関わらず、結果的には加害者と被害者を生み、加害者と呼ばれても仕方がないほどの行為に及んでしまう、「善意の加害者」となってしまうのです。

それほどまでに家族は追い詰められてしまいます。しかし、認知症という疾患について適切な情報を持ち、対応に困ったときなどに相談できる人が身の回りにいたら、家族が追い詰められるのを防ぐことができるかもしれません。疾病理解は、認知症の人だけではなく、家族自身が介護に追い詰められてしまう危険性を回避する手段になります。

 

そして氷解の時期へ

誰かのケアのつらさを理解してもらえたという安心感は、極度までに緊張を高め、追い詰められていた家族の心を氷塊させてくれます。そして日々の生活の繰り返しの中で、目の前のケアに適応することができれば、何とか破綻せずに、ぎりぎりの思いではあっても、家族の心はかろうじて保たれます。

認知症の症状は一様に進みません。せっかくなれたはずの、「適応」できたはずのケアであっても、これまでに「経験」しなかった新たな「困難」に遭遇すると、家族の心は再度「否認」や「怒り」の段階に逆戻りしてしまいます。

そのたびに周囲から支えられてこそ、危機的状況になっても介護が破綻せずに、保たれるのです。この適切な支援がないと「否認」→「怒り」→「虐待」の悪循環の道を辿ってしまう危険性が高くなってしまうのです。

例えば、失禁や性的なことがらに関してはじめての症状を経験したとき、家族の心は再度閉ざされます。

認知症の症状と理解はしていても、「まさか、あの人にかぎって」と愕然としてしまうでしょう。当然です。認知症状が出る前のことを知っているわけですから。

その衝撃に耐えながら日々のケアを続けるためには、周囲からの支援が必要となってきます。

 

支援を提供する側としてできること

ここまで認知症患者の家族の心の移り変わりや、ダメージの受容について解説をしてきました。

これらのご家族様に救いの手を差し伸べる事が出来るのが、老人介護保健施設やサービス付き高齢者住宅などの施設側です。

そして、これらのご家族様と一番最前線で接触をし、人数や接触回数も桁違いに多い職業がケアマネージャーです。

彼らは地域包括ケアというような部分で高齢者の方と日々接触をされています。

またそれはご家族様との接触も同様です。

つまり施設への集客を考える上で、まずはケアマネージャーにその施設のことを知っていただく必要があります。

ケアマネージャーは適切な施設に、患者様や患者様の家族を紹介するという業務も担っています。

そしてそのケアマネージャーの頭の中に、ご自身が所属、もしくは運営している施設の名前がすぐに浮かんで来れば、紹介を受けることができます。

つまり、心から認知症患者様のことを考え、そして家族様のことを考え、施設の集客につなげるということであれば、一番やらなくてはならないのはケアマネージャーに対する営業活動です。

ケアマネージャーが勝手に調べてくれるだろう、と思っていては大間違いです。

今や多数の施設が存在する時節柄、施設側から直接ケアマネージャーに自分の施設を覚えていただくということが何よりも重要な要素となります。

そして、それを覚えていただくには効率的に、そしてケアマネージャーが知りたいと思っている「ツボ」をしっかりと押さえて適切に情報をインプットしてもらう必要があります。

しかし、それだけのノウハウや情報を新規に取得するには、膨大な時間や手間、さらにはコンサルタントを雇用するのであれば月に数十万から数百万円単位の費用が発生します。セールスレップなどを介入させることができる業種でもありません。

 

そこでまず試したいのが、弊社タスケア(旧:介護経営)で提供している【ケアマネ営業ハンドブック】です。

こちらはケアマネージャーが本当に知りたがっている施設の情報や、ケアマネージャーが意外と見落としがちなポイント、ケアマネさんにこのように伝えれば家族には「こう」伝わる、 というような部分を網羅しているハンドブックです。

通常こういった書籍などは専門書扱いとなり高額になりがちでさらに情報についても最新のものが記載されていないケースも多々ありますがこの電子書籍ハンドブックは、今すぐにお手元にお届けすることが可能です。

お届けに必要なお名前とメールアドレスなどを入力すると、すぐにその場でハンドブックがダウンロードできるような仕組みになっています。

認知症患者のご家族様にもケアが必要だというところをご理解いただいたところで、次にケアマネへの営業方針を改めて策定する一助に、こちらのハンドブックをご活用ください。
https://tasu-care.net/product/m006/

 

 

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