店舗や工場に電子ブレーカーを導入し、電気料金を大幅に削減する方法
「電子ブレーカー」とは、工場や店舗施設、倉庫をはじめとした低圧電力(動力200V)の基本料金を、大幅に削減できるといわれている設備のことです。
「ブレーカーが飛んだ」という言葉を私達はよく使います。
契約容量以上に電流が流れると、電気設備に悪影響を及ぼす可能性があります。それを保護するため、契約容量を超えると、電気を遮断して設備を保護するのがブレーカーの役目です。「一定以上の電流が流れたら、ある時間以内に遮断する」という基準がJIS規格で決められているのです。
電子ブレーカーとは、ブレーカーの動作をコンピューターで処理でき、正確に電流値を計測しますので、JIS規格の許容範囲最大まで電流を使用できたり、最低限の電気容量で契約したりできます。
これが基本料金を大幅に削減できるといわれる理由です。
静岡県浜松市に本社を置き、店舗施設や工場の電気代削減を行う株式会社セグメントの天野社長に、電子ブレーカー導入の効果についてお伺いしました。
Q:店舗や工場において電子ブレーカーの導入は進んでいるのでしょうか?
充分とは言えないでしょう。電力会社、電子ブレーカーメーカー、それから私達のようなコンサルティング各社のアピール不足を反省しなければなりません。 残念ながら電子ブレーカーをめぐる詐欺まがいのトラブルがあることも、導入を阻む要因となっていそうです。
Q:実際にはどれくらいの経費削減効果があるのでしょう?
私がお手伝いした先に、地元で6店舗の弁当店を営む企業様があります。各6店舗の厨房にはそれぞれ冷蔵・冷凍設備があり、夏場の電気代は30万円を超えることとなり、お店の経営に大きな影響を与えます。
この弁当店の場合、各店舗に電子ブレーカーとLEDライトの導入をしましたが、電子ブレーカー導入による契約種別の変更による基本料金の値下げとLEDの節電効果により、導入初月の電気代は約10万円、その後も実績対比で約50%の電気代削減効果を続けています。
先方の社長も「これ、何かの間違いじゃないの?」と目を丸くして驚かれていました。
Q:導入する上でのポイントはありますか?
信頼できる業者と組むことです。
先にもお伝えしましたが、この契約を受注したいとの思惑から、営業段階で経費削減メリットをより多く出して過小な契約電力を提案したりして、後々トラブルが起きるようなこともあります。契約電力が過小すぎ、頻繁にブレーカーが落ちるようでは、営業活動、生産活動に支障をきたすでしょう。
営業マンや技術担当者が、現場を訪問しきっちりと電流測定、負荷の使用状況などの聞き取り調査を行い、 これらの情報からどれ位の契約が適当であるかを判断し、提案を行う業者と組むことです。
Q:最後に店舗経営者の皆様へアドバイスを
今回は電子ブレーカーのお話をしましたが、何がベターかはその企業、その店舗により様々で、ひとつの正解がある訳ではありません。
企業経営全般の視点より、総合的に判断、提案してくれる信頼できる業者と取り組まれることをおすすめします。