ポータルと自社サイトの使い分けで高齢者住宅のインターネット集客を成功させる
近年は介護業界でも、特に集客面においてインターネットの重要性が増してきています。
介護施設を紹介するポータルサイト運営企業も多数登場してきており、インターネットで高齢者住宅を探すのは、もはや当たり前の時代になったといえます。
ポータルサイトは非常に多くの施設の情報を掲載しているため、「地名+高齢者住宅」などの検索キーワードに強く、ほとんどのエリアでポータルサイトが上位表示されます。
ご自身の施設を検索した際も、ポータルサイトが検索にヒットして、「なんで、頼んでもないのに、掲載されているんだろう?」と思われた方も多いのではないでしょうか。
話が横道にそれますが、ポータルサイトを制作する会社はクロールと呼ばれるインターネット上の情報をコピーする技術で、非常に短期間で全国の介護施設が掲載されたような大規模なサイトを構築することができます。そのため、わざわざ人力で手間をかけて施設の情報を集める必要もないので、掲載依頼をしていない施設であろうが、なかろうが掲載してしまうという事例が多くあります。
このような作成過程は微妙なポータルサイトですが、地域ごとにたくさんの施設が掲載されていて、様々な検索条件にも対応していることから、利用者(家族)側からすれば、とても便利なサービスです。最近は、料金やアクセス地図にとどまらず、「施設のこだわり」「スタッフ紹介」「医療対応」「周辺案内」などの情報や写真も、豊富に掲載できるように工夫されているものもあります。
まず、入居希望がある方の候補施設のひとつに入るためにも、アクセスの多いポータルサイトに掲載されていること自体が、とても重要なことになってきています。特に新規に建設された施設については、いつまでも掲載されることがない場合も多く、必要であれば施設側からアクションを取り、掲載を検討することが必要となります。
ポータルサイトに掲載する場合のポイントは同一エリアの他施設に対して、情報の“質”と“量”で圧倒するくらいに書き込むことです。空欄が残しているようでは、“やる気のない杜撰な施設”という印象を与えてしまい、その時点で候補から外れてしまうリスクがあります。また、有料掲載の契約をした場合は写真もサイトに公開できるようになるケースがあります。この場合の写真は、人気(ひとけ)がある写真を可能な限り掲載するようにすることをお奨めします。また、写真の点数は可能な限りたくさん掲載してください。
一般不動産の賃貸でも、写真点数の多い物件ほど、内覧希望が多く入ります。積極的に情報を公開することで、お客様の問い合わせや現地見学の時間や手間のリスクを引き下げる姿勢がとても重要です。
続いて自社サイトの役割についてふれます。
一般的にポータルサイトで発信できる情報は限定的であり、タイムリーな情報を提供するには適していません。また掲載できる情報量も制限があり、入居者希望者や家族が実際に施設見学に足を運ぶまでの納得感を得るのは難しいと考えた方がよいと思います。
ポータルサイトの出口は資料請求と割り切り、自社サイトで、実際に施設に足を運んでいただくための動機づけを行う考え方が妥当でしょう。
自社サイト上では、ポータルサイトでは、掲載が難しいスタッフブログや施設の雰囲気を伝えることに徹するとよいかと思います。写真についても自社サイトであれば、いくらでも掲載することができます。スタッフブログについては、施設内で行われているスタッフ向けの研修やご利用者からかけられたお褒めの言葉など、掲載していくと、アットホームな雰囲気が伝わりやすくなります。
また、自社サイトについては、直接検索のロングテールキーワード対策についても、検討されることをお奨めします。
どのような入居者をターゲットとして考えているかにも依りますが、“入浴支援”、“お風呂”、“リハビリ”、“歩行訓練”、“インスリン”、“センサーマット”など、個別ニーズがダイレクトに表れるキーワードについては、対策をとることで上位表示される可能性が高まります。
このようなキーワードで検索している方は、“即入居したい”といった切羽詰まったケースも多く、契約に結びつきやすいのが特徴です。
ポータルサイトでまず認知をしてもらい、自社サイトで実際に時間を作って現地見学をしたいという動機づけをするという役割分担をうまく、実現させることが介護施設のインターネット集客に有効ではないでしょうか。