電力小売自由化まで4ヶ月 主婦7割は「まだ決めていない」
現在、工場やビルなど高圧以上で電気の供給を受ける法人は、電力会社からだけでなく、新電力事業者からも電力を購入することができますが、2016年4月以降は、一般家庭なども自由化の範囲が拡大されます。これにより、全ての利用者が自由化の対象となり、既存電力会社以外からも電気を購入することができるようになります。
家計を預かる主婦は、この電力小売全面自由化をどのように考えているのか、経営会議ドットコムでは主婦100人へのアンケート調査によりまとめてみました。
電力小売全面自由化を半年後に控え、その認知は進んでいるものの、詳細についての理解、消費者としての判断は、まだこれからのようです。
【質問1】いまの電力会社から乗り換えますか?
7割以上の主婦が、「まだ分からない」と回答しました。
次に「乗り換える・乗り換える予定」「乗り換えない」が同数との結果となりました。
【質問2】質問1で答えた理由は?
新電力に関する情報が不足しており判断しかねるとの声、ついで自由化後の周囲の反応を見てから判断するとの声が多くあがりました。
「まだ分からない」と答えた理由
- ・電力会社や、価格はどのくらいか、その他のサービスなどはどんなものがあるのかなど、分かることが少なすぎるからです。
- ・どこの電力会社の何が良くて、今契約している電力会社とはどう違うのか、どのようなプランがあるのか等よく分からないからです。
- ・どんな電力会社から選べるのか、電気料金は今契約している電力会社と違いがあるのかなど、知識が全くないからです。
- ・どんなサービスがあるかわからないので、周りの反応を見てから決めます。
まだまだ新電力についての情報が充分に届いていない事が実態のようです。
「まだ分からない」と答えてはいるものの
- ・安定した電力供給ができるか、わかってから決めたい
- ・価格が安くなるのなら乗り換える気持ちがあるので割引の値段次第です
など、条件付きながら肯定的な意見が多くありました。
一方、乗り換えたい派には、
「乗り換える」と答えた理由
- ・競争があると電気料金が安くなりそうだからです
- ・いまの電力会社はしょっちゅう値上げするので。
- ・今までどれだけ電力会社に不満を持っていてもそこからしか買うことが出来なかったのがずっと悔しかった
など、既存の電力会社への不満、抗議のために乗り換えるとの意見が多く見られました。
また、乗り換えない派では
「乗り換えない」と答えた理由
- ・他社に切り替える手間を考えると現在のままでいいと思っています。
- ・今まで何十年も変わらずに不都合なく暮らしてきたので。
など、敢えて動くほどの事でないや、乗り換える必要性を感じないなどの意見が多くありました。
また少数ですが、
- ・住んでいるマンションは、制約が厳しくマンションが認めている会社としか契約できない
と、乗り換えたいけど乗り換えられないとの理由をあげる方もいました。
今後、より情報が普及すれば、このような問題を抱える家庭も出て来そうです。
【質問3】新しい電力会社に期待するサービスは?
家庭の利用状況に応じた割引メニューへの期待が大きいようです
- ・今の電力会社は深夜割引は23時から朝の7時までですが、この時間帯も、あと1時間でも2時間でも増えるとうれしいです
- ・家は農家なので早くに寝ます。電気を使う時間が少ないため、1日何時間以内なら割引適用されるようなメニューが欲しいです
- ・毎月は安くならなくても、1年使ったら1年後に電気料金が安くなるような、何か楽しみがあると楽しいです。
- ・乗り換えプレゼントやキャッシュバックなどが欲しい
- ・毎月電気代を節約できた分を翌月に繰り越す事ができたり、もともとのアンペアを下げるとポイントが付いたり、利用者に得だなと思わせるサービスを展開していけば良いと思います。
- ・携帯会社の様に長く使ったユーザーには割引制度が設けられる等の特典が欲しいです
- ・子育て世帯や高齢者の独居世帯に対する電気料金の割引
次に多かったのがポイントサービスです。
Tポイントカードなど、既存の共通ポイントとの交換を期待する声が多くありました。
- ・前年同月より電気使用量が減っていたら、その差額分省エネポイントとしてTポイントと交換できるサービスとかがあってもいいなと思いました。
- ・今使っているネットやポイントサイトなど、日常使うものに還元できるようなサービスを期待します。
- ・電気代にポイントが着くと、たくさん電気を使ってしまっても、何故かポイントがつくからと、納得すると思います。ポイントは次の月の電気料金から引いて貰えるシステムだと有り難いですし、電気料金も安くなるのでそんなサービスを期待します。
- ・楽天などのポイントカードにポイントが加算されると助かります
その他の意見も書いておきます。
情報提供、ベストなプランの提案を求める声がありました。
- ・電力供給とともに省エネのコツなどの情報提供などがあるととても参考になり助かります
- ・今の家族構成に対して適切かどうかなどの提案がなされて、よりベストな料金プランを選択できるようにしてほしいです。
- ・どの家電がどのくらい電気料金がかかっているのか個別にわかると便利です。
エコなエネルギー、生活スタイルにあった新電力会社を自由に選択できる事を望む声もあります。
- ・火力発電等による安い電気だけでなくエコな発電方法による電気も選べるようにして欲しいです。
- ・利用者の生活スタイルに応じた料金プランが自由に選べると良いと思います。
自由化による電気料金の引き下げやセット割引など様々な種類の料金プランへの期待は大きいです。
新電力各社は、消費者の期待に応えられる安価で分かりやすいサービスが提供できるか、注目されています。