障害の種類について

知的障害児とは

知的障害は、様々な中枢神経系疾患を原因とする知的発達の障害です。知的機能や適応機能※に基づいて判断され、「全般的な知的機能が同年齢の子どもと比べて明らかに遅滞し」「適応機能の制限が」「3~18歳未満に生じる」と定義されます。厚生労働省が実施する知的障害児(者)基礎調査では、定義および判断基準を次のように定めています。

※適応機能とは、食事の準備、対人関係、お金の管理など、日常生活でその人に期待される要求に対して、効率的かつ適切に対応出来るかという機能のこと。

≪定義≫

「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別な援助を必要とする状態にあるもの」

≪判断基準≫

(a)「知的機能の障害」について

標準化された知能検査(ウェクスラーによるもの、ビネーによるものなど)によって測定された結果、知能指数がおおむね70までのもの。

(b)「日常生活能力」について

日常生活能力(自立機能、運動機能、意思交換、探索操作、移動、生活文化、職業等)の到達水準が総合的に同年齢の日常生活能力水準の a, b, c, d のいずれかに該当するもの。

出典:厚生労働省 知的障害児(者)基礎調査:調査の結果より

 

知的障害の特徴

知的障害の特徴として、下記の5つが苦手なことが挙げられます。
1. 人とのコミュニケーション
2. 自宅での生活
3. 身の回りのことを自分でする
4. 社会活動や学校活動などへの参加
5. 健康と安全への注意

有病率は約1%前後とされ、80%程度が軽度といわれています。中度以上になると、読み書きができないなど、生活上の支障が生じますが、軽度の場合、本人に自覚はなく、周りも障害に気づかないことも多いため、「変わっている」とか「努力が足りない」など、本人のパーソナリティを問題とし、そのまま見過ごされがちになります。

出典:厚生労働省 e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/heart/k-04-004.html

 

発達障害とは

通常低年齢において発生する機能障害の総称です。大きく下記のように分類されます。

自閉症

「言葉の発達の遅れ」「対人関係・社会性の障害」「パターン化した行動、こだわり」の3つの特徴があり、およそ3歳までには何らかの症状がみられます。日本には約500人に1人いるといわれ、症状が軽い「自閉症スペクトラム障害」と呼ばれる人たちまで含めると、約100人に1人いると言われています。

原因は先天的な脳の機能不全による障害ではないかといわれ、性別では男性に多く、発症率は女性の約4倍といわれています。また近親者の発生頻度が約5~10倍であることが知られています。

・アスペルガー症候群等の広汎性発達障害学習障害(LD)

知的障害を伴わない高機能自閉症の中で、言葉の発達に遅れがないものがアスペルガー症候群と呼ばれています。言葉やジェスチャーを使ったコミュニケーションや、相手の気持ちを察して行動することが苦手なため、対人関係を築くのが難しいのが特徴です。また特定の分野に著しい関心を示したり、運動機能に障害がある場合もあります。ただし、成長していくにつれて症状が薄れていくことが多いとも言われています。

・注意欠陥・多動性障害(ADHD)

集中力がない(不注意)、じっとしていられない(多動性)、考えずに行動してしまう(衝動性)の3つの症状がみられる発達障害です。生後すぐには症状の確認はできず、2歳ごろから少しずつ症状がみられるようになり、幼稚園や保育園に入るころから「先生の話を聞く」「じっとしている」などの社会性の欠落が見え始めます。

原因はまだ解明されていませんが、脳の前頭野部分の機能異常によるものでないかと考えられ、研究が進められています。子供だけでなく、大人にもADHDの方がいますが、突然発症したのではなく、子供のころからADHDの傾向があったものが、社会生活をおくる上で顕著になったのだと考えられます。

 

障害がある子供たちとの接し方

どの子供たちも、障害を負うことを選択して生まれてきたわけではありません。世間の偏見にさらされ、他の人と同じようにしたくてもできない自分に心を痛めながら生きています。優しく接してあげてください。

・話しかける

正面から短い言葉で、やさしくゆっくりと声をかけてください。

・よく聞く

障害のある子どもは、自分の考えを話したり、言葉を出すのにも時間がかかります。急がせたり勝手な判断をするのは厳禁です。余裕を持って言葉が出てくるまで待ち、時間をかけて言葉に耳を傾けましょう。

具体的な言葉で確認する

「それ」「あれ」など、抽象的な言葉は理解しにくい傾向があります。「今日はどうでした」などと問いかけず「今日の遊びで楽しかったものは何ですか」など、具体的に確認しましょう。

・見守ることも大切です

何かと手を出してしまいたくなりますが、そっと見守ることも必要です。説明が理解できているか、成長は見られるか。暖かく見守ってあげてください。

 

 

【PR】児童発達支援コペルプラスの事業説明資料はこちらからダウンロード(無料)できます。カートにそってご注文下さい。更に詳細が知りたいという方は、説明資料に記載の担当者連絡先へご連絡をお願いします。

*現在、新型コロナウイルスの自粛要請にもとづき、個別対応によるリモートセミナーを開催しています。ご希望の方は、こちらよりお申し込みください。

 

コペルプラスを主宰する大坪信之氏の著作「発達障害」という個性、コペルプラス療育の理念やメソッドが分かります。

 

 

関連記事一覧