【中小零細企業のM&A】売り手の意思決定に影響すること

売り手が売却に進んだ時、買い手企業との条件交渉において、売り手の意思決定に影響を与える事柄について整理してみます。
M&Aは、売り手企業と買い手企業との条件交渉。何を重視して意思決定するのか、条件交渉においては買い手企業からも様々な条件を付けられるからこそ、しっかり優先順位をつけて臨む必要があります。

 

 

より高く売却したい

売却後の新規事業の資金にしたい、リタイア後の生活資金にしたいなら、少しでも高く売却したい意思が働きます。
往々にして売り手は、買い手が考える売却金額より高めに価格設定します。それは自分の会社に愛着があったり、返済が必要な借入金額から考える場合があるからです。

売り手が高く売りたいのは当たり前です。
条件交渉において、仲介会社や買い手から思いもよらない低い金額を提示されてショックを受ける社長もいます。幾らまで妥協できるのか、金額面で妥結できないときは、どのように考えるのかを、売り手は予め考えておく必要があります。

 

 

より早く売却したい

業績不振の企業の場合なら、一刻も早く売ってしまって、資金繰りの苦しさから脱したいと考える経営者もいることでしょう。
また実際の交渉に入った時、売り手の社長にかかるストレスは大きく、早く決着してほしいという側面もあります。いつまでも、社員に隠れて、このような事(M&A)を進めている、負い目を感じる経営者もいる事でしょう。

一方で、あくまで交渉事であるため、売却を急いでいると勘繰られれば、足元を見られる場合があります。仲介会社との打ち合わせでは、「一刻も早く」と言われていた経営者が、買い手の前に出た途端に、「全く急いでいない」と正反対の事を言い出すケースもあります。
気持ちを悟られないよう、しかし可能な限り早く売却したいというのが経営者の本心です。

 

 

良い企業に買って欲しい

もちろん高額で売却できること、早く売却できることも売り手経営者にとっては大切なことですが、残る従業員や利用者にとって良い相手に買収してほしいという思いもあります。

従業員の雇用が安定し処遇がよくなることや、地域で安定したサービスが提供されることを、第一の優先順位で意思決定する経営者もいます。
オーナー経営者にとって、手塩にかけた会社は、いわば自分の子供のようなもの。
良い相手に嫁いで欲しいのは人の情です。

 

 

自分や会社に対して敬意を払って欲しい

表面的にこれが優先順位として前面に出ることはありませんが、自分や会社を理解し、正当に評価してほしいというのは必ずあります。

せっかく好条件を提示しても、物の売買のように軽く扱われたことで、敬意がないと感情的になり交渉が拗れてしまう事もあります。
逆に、条件面は良くない場合でも、交渉過程において信頼関係が築けたことで、より好条件の企業を断って、その企業に決めたなんてケースもあったりします。
売り手の意思決定には、このような感情も絡まってきますので、M&Aの交渉は難しいのです。

 

 

中小零細企業のM&Aの具体的な進め方

中小零細企業がM&Aを進める最初の一歩は、とにもかくにも情報収集です。

 

【買収を検討されている方】

理想の先が、いますぐに見つかるものでありません。

買収を検討される企業・個人は、できるだけ多くのM&A仲介サイトに登録をおすすめします。

登録無料、登録しても営業電話がかかってくるもでのもなく、要は新着情報がメールで届きます。

 

 

【売却を検討されている方】

記事中に書いているよう、M&Aの成約率は20~40%。

売却表明したからと言え、すぐ成立するものでありません。

また売却当初は仲介会社も一生懸命に営業活動しますが、買い手がつかなければ、段々と尻すぼみになります。

 

したがって、売却を検討する方も、複数の仲介会社と契約される事をおすすめします。

実は仲介会社は、これを嫌がります(本当は独占したい)。しかし成約率20~40%では、こちらも安心できず、打てる手は打っておきたいものです。

 

特に初期費用無料の仲介会社なら、なおさら相談してみてリスクはありません。

 

 

おすすめのM&A仲介会社を3社、ピックアップ

おすすめの理由は、①登録数が多い、②完全成功報酬、以上の2点です。

 

国内最大級の事業承継・M&Aプラットフォーム TRANBI【トランビ】
まずはトランビの登録は絶対におすすめです。

トランビの特徴は、法人・個人関係なく利用できる点です。

登録者数は20,000人以上、掲載案件2,000超で、国内最大級です。(2019年1月現在)

数億円以上の会社のM&Aから、数百万円程度の営業権やウェブサイトの売買まで、多岐にわたります。

売り手は手数料完全無料、買い手は、成約時にかかる3%の成功報酬のみです。

 

 

譲渡オーナー様は完全無料|事業承継M&Aプラットフォーム【ビズリーチ・サクシード】
テレビCMでお馴染み、ビズリーチもM&Aサービスを提供していますので、こちらも登録しておきましょう。

登録社数は5,000社、掲載案件は2,000件以上です。

こちらは法人のみが利用可能です。

売り手は手数料完全無料、買い手は、成約時にかかる2%(最低200万円)の成功報酬です。

先のトランビよりは、やや規模が大きくなりますが、それでも中小零細企業中心のM&Aです。

 

 

介護M&A仲介の専門サイト | 介護M&A支援センター

介護福祉の業界専門の仲介会社です。

登録者数は5,000人、掲載案件は介護系で100件超です。

こちら誰でも利用可能ですが、個人への売却は積極的でないようです。

こちらは逆に売り手・買い手の双方に手数料(最大10%)がかかります。

 

 

 

 

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