食品スーパーの物流費20%削減、その驚きの手法とは?
このサービスは食品スーパーマーケットやドラッグストア、大規模な飲食チェーン企業、ホームセンターなど物流とは縁の切れない大規模・中堅小売業に適合する事例です。
関西のある食品スーパーマーケットで物流費がコストダウンされた成功事例をお伝えします。
一定の企業規模になると、物流センターと店舗を結ぶルートがどんどん増えていき、例外なくかなり複雑な配送体制となります。食品スーパーA社も惣菜を中心とした生鮮プロセスセンター、加工食品、菓子、酒類、雑貨を取り扱うTCセンターの2拠点と30店舗を結ぶ配送便が13ルートある上、京都や大阪の中央卸売市場からの大型トラックのプロセスセンター直行便、地方の青果市場からの店舗直納便など複雑な配送体制を長年、運営していました。
さらに盆商戦や年末商戦の時期には増便も運行され、物流業務の責任者でも正確に全容が把握できていない状況に陥っていました。
役員会で販売費、管理費の徹底削減の指示が出たけど
このような状況下、役員会で「販売費・管理費」を徹底して見直すことが決定され、当然のことながら物流費についても見直しのメスが入ることになりました。
物流業務の責任者は、とりあえずいくらかはコストダウンに協力してもらえるかもしれないと長年、食品スーパーA社の配送業務を請け負ってきた物流企業B社に価格の引き下げを打診しました。
しかし、ガソリン価格は急騰し、人件費も高騰している時期であり、運送会社からは「むしろ値上げをお願いしたいと考えていたところで、価格引き下げ(コストダウン)にはとてもじゃないが、応じることはできない」と回答されてしまいました。
仕方なく他の物流企業からの見積もりを収集し、より安い運送会社を選定しようと試みを始めました。 しかし、ここでも新規の運送会社からは「見積もりを提出するためには配送ルートの種類や便の数、増便の本数、トラックの大きさ、冷蔵車がどこに必要かを分かるようにしていただかないと正確なものができない」と見積もりを取得することもままならない事態に陥ってしまいました。
見積もりすらとれない状況で外部専門家が登場
途方にくれた物流担当者は上司である商品部長に相談をした結果、あるコストダウンの専門家に物流費の削減を依頼することにしました。
契約の条件はコストダウンできた金額から一定額を成功報酬で支払うといった内容です。 このコストダウンの専門家と契約したい旨を社長にも説明したところ、「成功報酬であれば、我社にリスクはない。ダメもとで進めてみるように」とGOサインが出ました。
どうやって物流費を下げる??
プロジェクトを開始するとコストダウンの専門家は配送ルートの徹底調査を始めました。
まず運行表などの資料類を細かに分析し、現場担当者からのヒアリングを数日間かけて資料との食い違いがないかのチェックを行いました。食品スーパーマーケットA社は近年、出店と閉店 を繰り返していたため、資料のメンテナンスが追い付かず実際の運航状況とは食い違いも起きていました。
続いてコストダウンの専門家は配送ルートごとの凡そのトラックの積荷量も現地確認し、繁忙期と閑散期でどのくらいの変化があるのか担当者やバイヤーにヒアリングを開始しました。
細かく調査していくと、2t車で十分な積荷量の配送ルートに4t車が走っているなど、無駄な物流費がかかっていることも判明しました。
さらに10t車を4t車に変更できる可能性があるルートについては、積み荷をコントロールするため仕入先を変更しても支障がない商品は他の余裕ある配送ルートに変更してコストダウンの幅を大きくするなど徹底した事前準備に取り組みました。
契約時期の違いからか配送ルートごとに単価のばらつきもあり、物流費見直しの余地が大いにあることが徐々にわかってきました。
3センチの見積もり依頼書(仕様書)ができる
こうしてコストダウンの専門家が作成した見積もり依頼書は厚さ3センチほどになりました。
複数の運送会社に見積り参加を依頼したところ、4社から参加の回答がありました。
見積もり依頼書の説明の際には、運送会社の担当者からは、「これだけきちんと整理してあれば、正確な金額がはじけます」、「正確な仕様書をいただいたので、思い切った単価を出します」との声が聞かれました。
結果的にコストダウン金額は2億2400万円から1億9880万円に
今回のプロジェクトが開始されていなければコストダウンどころか、コストアップの要請すら受けていたかもしれない状況でしたが、結果的には2520万円のコストダウンが実現できました。
実際には約2800万円の削減提案をした運送企業がありましたが、スタッフが荷物の積込みや荷下ろしをサポートしてくれている点などもコスト以外のメリットと評価したこともあり、長年の付き合いのある運送会社の2520万円のコストダウンの提案を受け入れるという結果となりました。
今回の事例は、運送会社の“見積もりの条件に含まれないことが何か出てくるかもしれないという不安”を取り払い、思い切った単価を引き出せたことが大きな成果につながったのではないでしょうか。
多額の物流費を負担しておられる食品スーパーマーケットなど小売りチェーンの皆さまは一度、このサービスをご検討なさってはいかがでしょうか。