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住宅型有料・サービス付高齢者住宅・老人ホームの無料体験を契約に結びつける方法

高齢者住宅施設やデイサービスなどの介護施設の多くで取り入れられている無料体験という手法ですが、今回は、その無料体験から効率的に契約に結びつけるための観点や手法をご紹介します。

 

まず質問です。みなさんの高齢者住宅では、無料体験にご利用いただく部屋としてどれを選択されていますか?

①人気のお部屋はいつでも契約がとれるので、北側の人気のないお部屋
②1番人気がありそうな南側の日当たりよいお部屋
③静かにお過ごしいただく方が良いので、一番奥のお部屋

 

この場合は②の人気のお部屋に無料体験していただく方が好結果につながるケースが多くなっています。理由はいくつかありますが、契約がいただける確率が高いお部屋からどんどんと入居者を獲得していくことで、空き部屋が無くなり、「この施設は自分のような入居希望者から評価されている人気施設なのだろう」という好循環が生みやすくなるという点があげられます。また、無料体験で宿泊したお部屋にそのまま入居を希望されるご利用者も非常に多いことも②の無料体験を優先することをおススメする理由です。
さらに人気のお部屋であればあるほど、「他の入居者が契約してしまうのではないか」という心理が働き、入居までの決断が速くなることも理由です。

 

奥まった部屋をおススメしないのは、介護業界特有の理由ですが、“ご利用者が不安を感じることが多い”からです。リゾートマンションなどの場合はそうでもありませんが、介護業界の場合はご利用者への安心感は特に重要です。
事務所に近く、何かあればすぐに声をかけられる距離の部屋がご利用者に“安心感”を与えます。無料体験ということは、施設に初めてこられたというケースですから、この点はとても大事です。

 

次に無料体験から契約への確率を高める方法として大切な観点は部屋の演出についてです。
いかにも花や食器などの小物もなく、無機質なプラスチックのゴミ箱や市販の手洗い石鹸などを病院の一室や激安ビジネスホテルを想起させるような部屋では、「契約しないでくれ」といっているようなものです。無料体験では「ここに住みたい!」と感じていただくための動機付けをしなくてはいけません。

最近は雑貨ショップやIKEA、ニトリなどの家具店でも、かなりデザインセンスの良い商品が廉価で販売されています。観葉植物やインテリア小物、ランプ、デザイン性豊かなソファ、おしゃれな色のカーテン、全部揃えても10万円にもなりません。5万円以下の予算でも、かなりの演出を行うことができます。お部屋以外でも、スタッフのお迎えの気持ちがダイレクトに伝わるウェルカムボードや食堂入口で「本日のメニュー」を伝えるイーゼルなどにも気を使うとよいでしょう。
入居が決まれば、次の無料体験部屋に移すか、ご入居者にプレゼントするのもよいと思います。

マンションのモデルルームのような華美なものではなく、手書きのメッセージボードなどのようなスタッフの温かみが伝わるツールをたくさん準備することが介護業界では成功ポイントになります。

 

 

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