2018年度(平成30年度)介護報酬改定事項【短期入所生活介護編】

平成30年1月26日、社会保障審議会介護給付費分科会にて、2018年度介護報酬改定におけるサービス毎の改定事項が示されました。
今回は短期入所生活介護サービスの改定事項を紹介します。

 

1.【見直し】基本報酬

[単位数]

単独型:従来型個室の場合

現行 改定後
要支援1 461単位 465単位
要支援2 572単位 577単位
要介護1 620単位 625単位
要介護2 687単位 693単位
要介護3 755単位 763単位
要介護4 822単位 831単位
要介護5 887単位 897単位

 

単独型:ユニット型の場合

現行 改定後
要支援1 539単位 543単位
要支援2 655単位 660単位
要介護1 718単位 723単位
要介護2 784単位 790単位
要介護3 855単位 863単位
要介護4 921単位 930単位
要介護5 987単位 997単位

 

併設型:従来型個室の場合

現行 改定後
要支援1 433単位 437単位
要支援2 538単位 543単位
要介護1 579単位 584単位
要介護2 646単位 652単位
要介護3 714単位 722単位
要介護4 781単位 790単位
要介護5 846単位 856単位

 

併設型:ユニット型の場合

現行 改定後
要支援1 508単位 512単位
要支援2 631単位 636単位
要介護1 677単位 682単位
要介護2 743単位 749単位
要介護3 814単位 822単位
要介護4 880単位 889単位
要介護5 946単位 956単位

2.【見直し】①看護体制の充実

現行の看護体制加算(Ⅰ)(Ⅱ)の算定要件である体制要件に加えて、利用者のうち要介護3以上の利用者を70%以上受け入れる事業所について、新たに評価します。
中重度の高齢者の積極的な受け入れを促進します。

[単位数]

現行 改定後
看護体制加算(Ⅰ) 4単位/日
看護体制加算(Ⅱ) 8単位/日
看護体制加算(Ⅰ) 4単位/日
看護体制加算(Ⅱ) 8単位/日
看護体制加算(Ⅲ)イ 12単位/日(新設)
看護体制加算(Ⅲ)ロ 6単位/日(新設)
看護体制加算(Ⅳ)イ 23単位/日(新設)
看護体制加算(Ⅳ)ロ 13単位/日(新設)
看護体制加算(Ⅲ) 看護体制加算(Ⅳ)
看護体制要件 看護体制加算(Ⅰ)の算定要件を満たすこと 看護体制加算(Ⅱ)の算定要件を満たすこと
中重度者受入要件 前年度又は算定日が属する月の前3月間の利用者の総数のうち、要介護3以上の利用者の占める割合が100分の70以上であること
定員要件 29人以下 30人以上50人以下 29人以下 30人以上50人以下

※看護体制加算(Ⅲ)及び看護体制加算(Ⅳ)を同時に算定することは可能
※看護体制加算(Ⅰ)及び看護体制加算(Ⅲ)を同時に算定することは不可
※看護体制加算(Ⅱ)及び看護体制加算(Ⅳ)を同時に算定することは不可

 

3.【見直し】②夜間の医療処置への対応の強化

夜勤職員配置加算について、現行の要件に加えて、夜勤時間帯を通じて、看護職員を配置していること又は喀痰吸引等の実施ができる介護職員を配置している(登録喀痰吸引等事業者として都道府県の登録が必要)ことを評価します。夜間の医療処置への対応の強化を図ります。

[単位数]

現行 改定後
従来型の場合  (Ⅰ):13単位/日
ユニット型の場合(Ⅱ):18単位/日
従来型の場合  (Ⅰ):13単位/日
ユニット型の場合(Ⅱ):18単位/日
従来型の場合  (Ⅰ):15単位/日(新設)
ユニット型の場合(Ⅱ):20単位/日(新設)

4.【新設】生活機能向上連携加算

生活機能向上連携加算とは、外部のリハビリテーション専門職と短期入所生活介護の事業所の職員とが連携して、機能訓練のマネジメントをすることを評価するものです。
今回の改定では、自立支援・重度化防止の介護を推進するため、新設されました。

[単位数]

現行 改定後
なし 生活機能向上連携加算 200単位/月(新設)
*個別機能訓練加算を算定している場合は100単位/月

[算定要件等]

●生活機能向上連携加算 (新設)
・リハビリテーションを実施している訪問リハ・通所リハ事業所又は医療提供施設の理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、医師が短期入所生活介護事業所を訪問し、短期入所生活介護の職員と共同で、アセスメントを行い、個別機能訓練計画を作成すること。
・外部のリハビリテーション専門職と連携して、個別機能訓練計画の進捗状況を3月ごとに1回以上評価し、必要に応じて計画・訓練内容等の見直しを行うこと。

 

5.機能訓練指導員の確保の促進

・機能訓練指導員の対象資格について、一定の実務経験を有するはり師、きゅう師を追加します(従来は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師またはあん摩マッサージ指圧師)。機能訓練指導員の確保の促進を図ります。

 

6.【新設】認知症専門ケア加算の創設

現在、介護老人福祉施設や介護老人保健施設に設けられている認知症専門ケア加算について、短期入所生活介護にも創設します。

[単位数]

現行 改定後
なし 認知症専門ケア加算(Ⅰ)
3単位/月(新設)
認知症専門ケア加算(Ⅱ)
4単位/月(新設)

[算定要件等]

●認知症ケア加算(Ⅰ)(新設)
・利用者の総数のうち、日常生活に支障を来たす恐れのある症状若しくは行動が認められることから介護を必要とする認知症の者の占める割合が2分の1以上。
・認知症介護にかかる専門的な研修を修了している者を、対象者の数が19を超えて10又はその端数を増すごとに1を加えて得た数以上配置し、チームとして専門的な認知症ケアを実施していること。

●認知症ケア加算(Ⅱ)(新設)
・加算(Ⅰ)の基準のいずれにも適合すること
・認知症介護にかかる専門的な研修を修了している者を1名以上配置し、事業所又は施設全体の認知症ケアの指導等を実施していること
・当該施設における介護職員、看護職員ごとの認知症ケアに関する研修計画を作成し、当該計画に従い、研修を実施または実施を予定していること

 

7.【見直し】介護職員処遇改善加算の見直し

・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)は、厚生労働大臣が定める日以降に廃止されます。

(参考)介護職員処遇改善加算の区分

8.特養併設型における夜勤職員の配置基準の緩和

以下の要件を満たす場合、短期入所生活介護事業所(ユニット型以外)と特養(ユニット型)が併設している場合の夜勤職員の兼務を認めます。介護人材の効率的な人員配置を進めるものです。
・短期入所生活介護事業所と特別養護老人ホームが併設されていること
・夜勤職員1人あたりの短期入所生活介護事業所(ユニット型以外)と特養(ユニット型)の利用者の合計が20人以内であること
*逆の場合(短期入所生活介護事業所(ユニット型)と特養(ユニット型以外))も同様とする。

 

9.介護ロボットの活用の促進

見守り機器の導入により効果的に介護が提供できる場合について、新たに評価します。

[単位数]

変更なし  *夜勤職員配置加算 従来型の場合  (Ⅰ):13単位/日
ユニット型の場合(Ⅱ):18単位/日

[算定要件等]

●現行の夜勤職員配置加算の要件
・夜勤時間帯の夜勤職員数:夜勤職員の最低基準+1名分の人員を多く配置していること

●見守り機器を導入した場合の夜勤職員配置加算の要件>(新設)
・夜勤時間帯の夜勤職員数:夜勤職員の最低基準+0.9名分の人員を多く配置していること
・入所者の動向を検知できる見守り機器を入所者数の15%以上に設置していること
・施設内に見守り機器を安全かつ有効に活用するための委員会を設置し、必要な検討等が行われていること。

 

10.【見直し】多床室の基本報酬の見直し

従来型個室と多床室との間の報酬の差を適正化します。

単独型:多床室の場合

現行 改定後
要支援1 460単位 465単位
要支援2 572単位 577単位
要介護1 640単位 625単位
要介護2 707単位 693単位
要介護3 775単位 763単位
要介護4 842単位 831単位
要介護5 907単位 897単位

 

併設型:多床室の場合

現行 改定後
要支援1 438単位 437単位
要支援2 539単位 543単位
要介護1 599単位 584単位
要介護2 666単位 652単位
要介護3 734単位 722単位
要介護4 801単位 790単位
要介護5 866単位 856単位

見守り機器の導入により効果的に介護が提供できる場合について、新たに評価します。

[単位数]

変更なし  *夜勤職員配置

利用者の総数のうち、日常生活に支障を来たす恐れのある症状若しくは行動が認められる
現在、介護老人福祉施設や介護老人保健施設に設けられている認知症専門ケア加算について、短期入所生活介護にも創設します。

 

11.療養食加算の見直し

1日単位で評価を行っている現行の取扱いを改め、1日3食を限度とし、1食を1回として、1回単位の評価とする。

 

12.共生型通所介護

・障害者福祉制度における生活介護、自立訓練、児童発達支援、放課後デイサービスの指定を受けた事業所であれば、基本的に共生型通所介護の指定を受けられるものとする。

 

13.居室とケア

・ユニット型準個室について、実態を踏まえ、その名称を「ユニット型個室的多床室」に変更します。

14.介護経営オススメ

夜勤職員配置加算の要件に、見守り機器の導入が新たに加わりました。
介護経営では、スタッフの作業負担を軽減させて、働く人に優しい企業イメージの向上と採用力の強化、離職率の低下が期待できる機器の導入をお薦めしています。

 

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