障がい者のケアマネジメントとは
2000年に介護保険法が施行され18年が経過します。
その時にできたケアマネージャーの資格を取得した方々が、ケアマネジメントを拠り所にサービスの支援を行ってきました。
その後障害者総合支援法も施行され、相談支援専門員という資格ができ、そこで障がい者のケアマネジメントが始まりました。
ともにサービス利用者(以下利用者)がサービスを受けることができるよう、アセスメントからケアプランまでを計画し、サービス提供がなされているわけですが、障がい者のケアマネジメントはいかなるものか、はっきりとは理解されてない方々も多いのではないでしょうか?
そこで、障がい者の施設の利用者に対する向き合い方や対応方法を今回は改めてご紹介していきます。
まずは本人と向き合うアプローチの段階を知る
日々の業務はマニュアルに基づいたものになってしまいがちですが、基本的にはまずは利用者さんご本人様としっとりと向き合うことが重要です。
そして向き合うということは、ご本人様と同じ歩幅で歩いて行くということが何よりも重要となります。
そこでまずは、ご本人様と向き合うためのアプローチの段階について取り上げていきます。
<本人と向き合うーアプローチについて考えるー>
1. まずは、受け止める
2. 白紙からはじめる
3. ステージとスピードを意識する
4. 一緒に考える
5. 本人から見える世界をのぞいてみる
6. その言葉を逃がさない
7. 動きながら感じよう
8. エネルギー源を探せ
9. 道具も大事
10. 自分を大切にする
11. 1人では無理。チームでとらえよう
利用者さんと向き合うには原則として以上11のルールがあり、それぞれが単体ではなく、つながっている(universe)のです。
そして進んだり戻ったり、時には、ループしたりするのです。
介護保険利用の高齢者同様、まずは利用者の自立支援の支援から確認します。
そして、本人の要望、ニーズを把握します。
決めつけややレッテル張りは絶対に NG
そして先入観をもたずに白紙からスタートします。ここで陥りがちなのが「決めつけ」「レッテル貼り」です。
○○さんは○○だから、と決めつけて先入観をもつことは非常に危険です。
業務になれたころに多いですね。仕事がルーティンになってしまうのです。
スピードも非常に重要ですが、今利用者が置かれているステージを把握するところから始めないといけません。
すぐにサービス導入が必要なら、すぐに調整しなければなりませんが、それはステージを把握してからわかることであり、スピードはあくまでも利用者のペースに合わせる必要があります。
早ければいいわけではありません。逆に雑な仕事になる危険があります。
しかし、スピードを意識することはとても大切です(結果ではなくプロセスで、意図的にです。)
寄り添って短期的目標と長期的目標を策定する
そして「共に考える」ことです。サービス導入後のイメージ、必要か不要か、1番のニーズは何か?今後どうありたいか?…etc
短期的目標と・長期的目標を一緒に計画していきます。
ここでまた自分よがりな専門員は勝手に「あなたにはこれがいるけど、これはいらない」などと利用者の意見に耳をかさない専門員もいるので、そういった専門員になってしまわないように注意が必要です。
共に考えることがとても重要なのです。バイステックの「自己決定の原則」です。
逆に依存的な利用者もいるのできちんと説明して、共に決めてもらうことも重要です。後からトラブルのもとになりかねません。
きっちり説明責任を果たし利用者本人に決めてもらいましょう。
本人から見える世界を見る
本人(利用者)から見える世界をみることも大切です。
どこが困っているかを共有できるからです。脳性麻痺などの利用者は果たしてどのように食事し、排せつし、どこが困っているかどこに不自由さを感じているのかを把握することは利用者によっても有効ですし、「そこまで考えてくれいる」と信頼関係が構築されます。
障がいがあるからといってすべての援助をする必要はないのです。利用者のエンパワメント(強みを引き出す)、ストレングス(強みを活かす)を把握する上ではとても大切なことです。
利用者の発する言葉にも傾聴する必要があります。どこに支援のヒントが隠れているかもしれません。
そして、その点を利用者は困っているとは感じていないこともあります。言葉の端々にそのような言葉が聞かれれば、利用者に質問してみましょう。
意外に気付いていない利用者も多いのです。
本人の動きを把握しましょう。屋内・屋外と一緒に歩いたり、利用者の導線を把握したり、行動パターンを読むことは後々役にたちます。その時に困っていることがでてくるかもしれません。
その時に一緒にいれば困ったことを把握し問題を共有できるからです。中には困っていることを「わざと」隠してしまいがちな利用者もいます。(強がり、いい意味で自立向上心がある)
利用者にとってのエネルギー源は何か?
利用者にとってのエネルギー源を探してみましょう。意外なものがエネルギー源かもしれません。これは個性があるので具体的にはわかりませんが、例えば日曜日ののど自慢を見ると喜ぶなどでしょうかね。もちろん相談員が訪問してくれるのがエネルギー源かもしれません。
道具も大事ですね。利用者にとっては命綱かもしれません。ちなみに道具とは物的なものではなく、人的なものも当然含まれます(専門員だと喜ばしいのですが)
自分のことを大切にしてもらいましょう。もともと健常者で交通外傷などの後遺症が原因な場合、悲観的になる利用者もいます。障害受容には個人差がありますが、今の自分を大切にするように語り掛けましょう。障がいは否認⇔受容を繰り返しますので、専門員はその時の気持ちに寄り添うことが大切です。悲しい時、うれしい時を共有することで信頼関係も結べます。
そして最後になりますが、当たり前のことなのですが、専門員1人では何もできません。利用者を含めた、ヘルパー・看護師・主治医など多職種連携が基本になります。情報を共有し、利用者が今後どういたいのか、どうなっていくのかを一緒に考えてもらえる仲間を作ることは利用者にとっても、専門員にとっても非常に重要であり大切なことです。
これは意外に簡単なようで難しいので、どうすれば他職種連携をうまく図れるかは専門員の腕次第でしょう。これができるようになれば専門員も仕事が楽しくなることでしょう。専門員が仕事を楽しめていないのに利用者を支えることはできないからです。
専門員自身の体もきちんとメンテナンスすることを重要な仕事です。Onとoffを切り替えれることができれば仕事にも張りが出ていい方向に向かうことができると思いますよ。
その上でスキルアップを図るためには?
今回ご紹介したような内容に基づいて、障がい者の方のケアマネジメントというものは行われるべきです。
しかし、そんな中で専門員が様々なスキルアップや、資格取得を目指したいとモチベーション管理の一環で思うことも多々あるのではないでしょうか。
しかし、何かと日々の業務が忙しい中で新たな資格取得やスキルアップのための勉強を行うというのは、その方法を見つけるだけでも一苦労です。
そこで今回、弊社は介護職の資格取得マニュアルと銘打ち、様々な資格取得に役立つ勉強方法やその道標を示すようなマニュアルを作成しました。
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まずは、私どもからのこのマニュアルを受け取り、その上で新しいスキルアップや資格取得のための道筋を一緒に作っていきませんか?