給料カットだけでない人件費削減策(9) 退職金制度の見直し

1. 退職金にもメリハリをつける

退職金の性格は、在職中の功労報奨である。功労の大きな人には大きく、功労に応じてメリハリをつけて無駄を省こう

 

2. 退職金制度を改革する

退職金制度には、「退職一時金」と「企業年金」がある。企業の規模や考え方によって、一時金だけの場合や年金として分割する場合、一時金と年金を併用する場合と様々である。運用リスクを企業が100%負担する方式から、労使でリスクを負担する拠出建ての併用方式への変更や、予定利率の引き下げによる給付金額の引き下げ、厚生年金基金の代行返上等により、企業の負担を大幅に減らすことができる。

 

3. 年俸連動型退職金を採用する

在職期間中の年俸合計額の一定比率(5%~7%など)を一律に退職金とする方法。短期間で退職しても会社、本人双方の利害に中立でどちらにも不利にはならないというメリットがある。

 

4. 退職金前払い制度を採用する

退職金部分を月例給与や賞与に組み込んで支払う方法。所得税が割高になるという税制上のデメリットがあるが、会社によっては前払い分の所得税を負担するケースもある。退職時の巨額負担という後払いリスクがなくなる。

 

5. ポイント制退職金を採用する

基本給に連動しない退職金の代表的制度。資格等級、勤続年数などからポイントを算出し、ポイント単価を掛けて退職金額を決定する。会社の負担が大幅に減り、社員の貢献度を上げるインセンティブにもなる。

 

6. 貢献度を反映させたポイント制度を作る

在職中の業績考課を反映させるポイント制度もある。従業員の年齢と人事考課からポイントを算出する。

 

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