採用活動で面接官が心得るべきバイステックの7原則とは?

フェリクス・P・バイステックが提唱したバイステックの原則には7原則あります。

バイステック氏は、これまでの福祉の礎を築いた偉大な方です。元々クリスチャンで、氏の慈善活動から派生して生まれた原則です(途中迫害を受けたりしましたが)

その中に企業の採用の際に、役にたつかもしれない原則がいくつかあるのではないかと言われています。今回はそれを紹介したいと思います。

バイステックの原則を活用した企業採用活動の中で考えておきたいポイントや理念的な部分については他の記事でもご紹介していますので、今回はあくまでもバイステックの原則で採用活動に役立つそうな部分のみご紹介していきます。

 

1)面接官は自分の感情を自覚して吟味する(統制された情緒的関与)

いかなるコミュニケーションも、人が互いに何かを伝え合うやりとりによって成立するものです。

人が他者に話しかけるとき、人は、相手に何らかの形で反応を伝え返してもらうことを期待しています。したがって、ある人の話しかけに対して、相手の反応が沈黙であれば、それはその相手が、話しかけている人や会話に対して無関心であることを示している可能性があります。(ただ単に無視していることもありますが)

このようなコミュニケーションは、人が相手にどのような反応を期待するかによって、その性質は異なってきます。

一般的にコミュニケーションが持つ性質には3つにわけて考えることができます。①概念や知識だけのやりとり、②感情を伝え合うコミュニケーション、③知識と感情が行き来するやり取りに分けることができます。

例えば、〇〇を知っていますかと面接官が質問すればそれは知識をもとめていることになります。

面接官は感情と思考の両面でコミュニケーションを行う技術を身につける必要があるのではないでしょうか?

まとめると

面接官は自分の感情を自覚して吟味するとは、まずは採用希望者の感情に対する感受性をもち、採用希望者の感情を理解することです。

そして面接官が採用という目的意識しながら、採用希望者の感情に、適切な形で反応することが大切なのです。面接官の情緒が不安定であれば、それは採用希望者にとって不幸なことであり、避けるべきでしょう。

 

2)採用希望者の感情表出を大切にする(よきにも悪きにも)(意図的な感情の表出)

人は認識する力と意思の力をもつ理性的な存在であります。また、本能や衝動、感情や情緒を持つ動物的な存在でもあります。

人は様々な側面を持つ統合体であるため、これらの生命活動を理性的であり、直観力や成長力持っていて、それぞれが相互に深い関連を持っているわけです。

人は調和のとれた感情や情緒に支えられながら、知恵と意識を働かせているのです。人間的な理想、または課題は、調和した情緒を維持できることです。

まとめると

採用希望者の感情表現を大切にするとは、採用希望者が採用希望者の感情を、否定的感情を自由に表現したいというニーズを持っていると、きちんと面接官は認識することであります。面接官は、採用希望者の感情表現を妨げたり、非難するのではなく、採用希望者の感情表現に採用するか否かという目的をもって耳を傾ける必要があるのです。

そして採用するか否かを決める上で、有効でかつ重要であると判断するときには、採用希望者の感情表出を積極的に刺激したり、表現を励ますことが必要であると思います。

これは採用においてとても重要なことだと思います。この感情表出が本能であり、採用希望者の本音を聞き出せるチャンスなのです。

 

3)すべてを受け止める(受容する)

ソーシャルワーク(以下SW)の世界で、最も普及している言葉の一つに「受け止める」という表現があります。これは面接官にも共通するのではないでしょうか?見た目だけで判断し採用か否かをきめてしまうこともあるかもしれませんが、それは採用希望者の本質を理解していないことです。1)2)に述べたように面接官の情緒と採用希望者の感情表出を妨げることになります。

これでは優秀な人材を逃してしまうかもしれません。そのためには話をじっくり聞いて(制限はあると思いますが、できうる範囲内で)採用か否かを決めることが大切なのではないでしょうか?

まとめると

採用における一つの重要なファクターではないでしょうか?採用希望者を受け止める態度ないし行動は、面接官が、採用希望者の人間としての尊厳と価値を尊重しながら、採用希望者の健康さと弱さ(弱みではありません)または好感を持てる態度と持てない態度、肯定的感情と否定的感情、あるいは建設的な態度及び行動と破壊的な態度及び行動などを含め、採用希望者を現在のありのままの姿を感知し、採用希望者の全体に関わることです。

しかし、それは採用希望者の逸脱した態度や行動を許容あるいは容認することではありません。つまり、受け止めるべき対象は「好ましいもの」などの価値ではなくて、「真なるもの」であり、ありのままの現実なのです。

受け止めるという目的は、採用の面接を助けることにもなります。つまり、面接官が採用希望者をありのままで理解し、面接の意味を持ち、更に採用希望者が不健康な防衛から自由になることを助けることになります(いい意味で緊張をほぐす)このような面接を通して、採用希望者は安全(安心)を確保しはじめ、自由に表現したり、採用希望者の自ら自分のありのままの姿を見つめたりできるようにもなるのです。

また、いっそう現実に即したやり方で、採用希望者の問題や自身の対処ができるようになるのです。

以上を参考にしていただくと、おのずと採用者をすんなり決めることができるのではないでしょうか?企業と採用希望者の考えに大きな乖離がある場合は、当然不採用にするでしょう。

お互いに不利益だからです。

しかし上記3つの原則を活かして初めて見えてくることもあるかと思います。面接は大切な第一関門です。そこで面接官のスキルも見えてくるわけです。

 

無事に採用した後は早期離職防止のための初期研修ガイダンスを早急に行う必要性がある

これらの採用活動を経て無事に今後一緒に仕事をしていく新たな従業員やメンバーが採用となった場合には、まず早期離職、つまり現実と理想のギャップに苛まれて新しく入った人間がすぐに退職してしまう、という事態を防止するためにしっかりとした初期研修ガイダンスなどを行う必要があります。

そしてこのガイダンスは早ければ早いほど有効とされており、あまり悠長に構えていられるようなものでもありません。

そこで今回弊社が作成した早期離職防止のための初期研修ガイダンスのマニュアルが有効です。

こちらのマニュアルは様々な介護業界の経営者からヒアリングを行った情報や、現場からの口コミをもとに作成したもので、様々な方向から正しく初期研修ができるようにサポートするような構成となっています。

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