名刺データとアクセス解析を組み合わせたリードナーチャリング
今回は当社(株式会社グランシーズ)のユニークなサービスについてご紹介します。
BTOB営業の支援サービスを行っている会社はたくさんありますが、そんな中でも珍しい手法で、最近、導入企業が増えている名刺の自動データ化システムとサイトの訪問者を見える化するアクセス解析を組み合わせたサービスです。
投資用不動産を販売する不動産会社の成功事例
投資用不動産の販売や企業向け保養所の斡旋を中心に事業を展開するある関西の会社では、新聞やDMなどの紙媒体による販促から、インターネットからの見込客誘導、受注活動に方向転換するべく力をいれています。
高額物件を扱うため、顧客となる個人投資家や企業は、一定の期間、物件の購入の是非を検討する時間を要することが一般的であり、購入の可能性のある見込客を見極め、フォローし続ける仕組み「リードナーチャリング」の構築がとても重要な課題でした。
見込レベルによるランク分けとランク別フォローアップの仕組み
この会社では以前から、見込客の購入可能性によるランク分けと、そのランクに応じた営業のシステムを構築しており、そのフォローアップ策のブラッシュアップを続けていました。
そのようなシステマティックな営業スタイルを続けてきたこともあり、今回の当社サービスの活用についても、「WEBサイトに訪れている見込客を購入可能性に応じてランク分けしてフォローする仕組みを構築できるのではないか」と逆提案を受けての導入となりました。
WEBサイトの見込客のランク分けの具体的な方法
まず不動産会社のサイトへのアクセス解析を行いました。
通常のアクセス解析では、訪問者を特定することはできませんが、当社のシステムではIPアドレスなどの情報をもとに訪問者の3割程度は特定をすることができます。
分析を進めた結果、サイト訪問者の約70%は“こちらが営業ターゲットになっているケースで、セールスが訪問前にHPをチェックしているアクセス”や“競合の不動産会社からのアクセス”、“クローリングによるデータ収集目的のアクセス”などとなっていました。
残りの30%のアクセスについては、見込客であろうと推測ができるアクセスであり、前者の場合と後者の場合では、閲覧されているページにも大きな違いがありました。
アクセス解析から非見込客と見込客を選別する方法
当社のアクセス解析であれば、訪問者の企業名が特定できますので、その企業の事業内容から競合企業であったり、営業目的のアクセスであることは想像がつきます。
また営業をかけようとしている企業のアクセスは、会社概要のページを見て、すぐに直帰しているなどいくつかの特徴があり、そのようなアクセスにはフォローアップ活動をかけても無駄だということで、ターゲットリストからははずすこととしました。
一方で購入可能性のある見込客のアクセスは物件情報のページを複数チェックしており、一定の閲覧時間がある、または物件の所在地を示す地図のページを閲覧しているなど、いくつかの特徴がありました。
このような購入可能性のあるサイト訪問者に対しては、サイトへの訪問回数別にDMの内容を変え、具体的な商談や現地見学の引き合いにステップアップしてもらえる仕組みづくりを検討しました。
現地見学の引き合いから成約
購入可能性の高い見込客は、サイトから直接現地見学へスムーズに移行し、即具体的な商談となりますが、サイトを見ているだけで現地見学まで至らない見込客にステップアップしていただくのは意外と難題であり、そのために私信メールを送ったり、現地見学の際の特典を魅力的なものに変更したりと改善を重ねました。
もともと即商談になるような見込客の数よりも圧倒的にサイトのアクセスどまりの潜在見込み客の数が多いため、2か月目には初めての成約があり、3か月程度で徐々に業績貢献が見え始めました。
もともとHPのアクセス解析に取り組む前は、フォローができていない見込み客であったため、「機会損失を最大限に防ぐことができて、販促費の投資に迷うことが少なくなった!」と不動産会社の部長様からはお喜びの声をいただくことができました。